「首里城を救った男」鎌倉芳太郎の功績をたどる企画展
戦前、老朽化により取り壊されそうになった首里城を守るために尽力した鎌倉芳太郎の功績をたどる企画展が、沖縄県立博物館・美術館で開かれています。
香川県出身の鎌倉芳太郎は、1921年沖縄県女子師範学校の美術教師として赴任し、沖縄の建築や工芸などの調査に励みました。
沖縄を離れたあとも琉球芸術の調査や研究に没頭した鎌倉芳太郎は、老朽化などで荒廃が進んでいた首里城の取り壊しを食い止めるために尽力したことから、「首里城を救った男」とも呼ばれています。
沖縄県立博物館・美術館では企画展が開かれていて、鎌倉芳太郎が遺した記録や研究資料の数々が展示されています。
▽沖縄県立博物館・美術館学芸員伊禮拓郎さん:
『やはり戦争でいろんなものが無くなってしまったけれども、ノート記録や写真記録、そして実物として今も残っている』『それらが沖縄の戦後の文化復興に繋がっている』
▽沖縄県立博物館・美術館学芸員伊禮拓郎さん:
『展示品の一部は首里城の復元のために調査されて、参考になっているものもある』『当時の(芳太郎らの)調査があったからこそ記録として残っていて』
鎌倉芳太郎の膨大な首里城の調査や研究記録は、前回の首里城の復元や、現在進められている再建事業でも重要な参考資料として活用されています。
▽沖縄県立博物館・美術館学芸員伊禮拓郎さん:
『これから首里城の復元の話が本格化していくが、その根底には実は偉大な研究者の足跡があるということを知っていただければと思います』
一度は取り壊されそうになった首里城を救った鎌倉芳太郎。彼が遺したものが、時代を超えて再び首里城を蘇らせようとしています。
琉球王朝文化の復興とそれに携わった偉大な研究者の功績に触れることのできるこの企画展は、11月19日まで開かれています。
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