辺野古代執行訴訟 翻弄される”当事者たち”の思い
普天間基地の移設に伴う辺野古埋め立ての代執行訴訟が始まった30日、問題に翻弄されてきた宜野湾市や名護市の住民、移設に反対する市民たちはどのような思いで迎え過ごしたのか聞きました。
名護市・キャンプシュワブゲート前キャンプシュワブのゲート前には工事の中止を訴えて座り込む市民らの姿がありました。
抗議する人は
「辺野古基地反対の観点を民意を尊重しながら(玉城知事が)発言すると思いますので、それを支えていくことを一生懸命頑張りたいと思います」
一方、宜野湾市では市民たちの頭上をオスプレイが飛行していました。
普天間基地に隣接する宜野湾市の上大謝名地区に住む山城賢栄さん。
日米両政府が返還に合意して27年が経ち、騒音被害に苦しみ時に命の危険を感じてきた山城さんは閉鎖・返還が遅々として実現しないことに苦悩し、葛藤を抱えています。
山城賢栄さん
「27年間の間やらないで(返還しないで)代執行だとか、なんでそこまでしないといけないのかな。普段から(国と県の)双方に努力してもらいたい。我々住民のことを本当に思っているんだったら。私としては辺野古じゃなくてもとにかく普天間の基地を閉鎖撤去をしてもらいたい」
普天間基地から派生する騒音を巡り、アメリカ軍機の飛行差止めを求め国を訴えている訴訟団が会見を開きました。新
第3次普天間爆音訴訟団・新垣清涼団長
「普天間基地の即時閉鎖返還が大前提で、辺野古への新基地建設に対しては従来通り反対の姿勢を取って参ります。宜野湾市民が暮らす空の安心・安全につながること、強いては沖縄の平和に繋がることと信念を持ち、草の根の市民運動を継続していきたい」
口頭弁論が開かれる裁判所には傍聴券を求める人が集まりました。
傍聴券を求める人は
「沖縄の人たちは自分の身を守るために県民投票もしたし知事も選んできた。基地をつくらせないためにですよね」
「国がやっていることがあまりにもひどいなと思って。ちゃんと言い分を両方聞いて話し合いで進めるようにと裁判所の方も言ってほしいです」
この中に大浦湾を望む名護市瀬嵩で生まれ育った渡具知武清さんの姿がありました。
地元の海がこれからどうなるのかその行方を見守りたいと傍聴券を求めて列に並びました。
渡具知武清さん
「大浦湾の代表。やってきました。この自然がどれだけ大事なものか分かってもらいたい。(埋め立てを)やられる前に」
未来を生きる子どもたちに大浦湾の豊かな海と自然をのこしたい。
渡具知さんと家族は大浦湾のすぐ側に平和のモニュメントをつくり、埋め立て反対の意思を示し続けてきました。
渡具知武清さん
「自然から恵みをもらって生活してきましたね。絶対に基地はここに造ってもらいたくない。造らないでほしい」
渡具知さんは法廷に立つ玉城知事に思いを託しました。
渡具知武清さん
「裁判官の心を動かす話をしてくれたら助かる。期待しています」
支援者の集会で決意を述べる玉城知事
「きょう正々堂々と皆さんと同じ思いでしっかり主張してまいりたいと思います。ぜひ一緒に頑張ってまいりましょう!」
国側は速やかな判決を求め裁判は即日結審しました。
渡具知武清さん
「一言よ、『(判決期日は)追って報告する』と。それだけよ」
「誰のための司法なのか。もっと国民のための司法、法律をつくってほしい。(瀬嵩に)帰ってまたみんなに報告して頑張ろうということを、子どもたちにも伝えなきゃならない」
渡具知さんはこれからも諦めずに声を上げ続けることを誓っていました。
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