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個性豊かな本屋さんと店員おすすめの1冊 沖縄発

秋といえば読書の秋。沖縄県内にある個性豊かな本屋さんと書店員がおすすめする一冊をご紹介します。

平良匠アナウンサー
「大型バスに乗ってバス。私のいるこのバス、実はなんと本屋さんなんです!」

北谷町にある「ブックパーラー砂辺書架」。黄色い大きな車体が目を引きます。

店主・畠中沙幸さん
「本屋とは思わずに、何屋さんですかと開けてくる人は多いですね。『おー』と言いながら入ってくる人が多くて」

北谷町出身の店主・畠中沙幸さんは高校卒業後アメリカの大学に進学し、その後は東京で働いていました。

店主・畠中沙幸さん
「昔から本が好きではあるんですけど、地元の北谷に本屋がすごく少ないということを感じていて。本が望まれていないのか、ないから読まないのかわからなくて」

移動式の本屋を開くことが夢だったという畠中さん。神奈川県で見たアメリカのスクールバスに一目惚れし、沖縄に帰ってきたおととし、一念発起して購入しました。

店主・畠中沙幸さん
「インパクトがすごいのと、お子さん向けに本屋さんをやりたいなと思っていて、すごくぴったりじゃないかと思って。運転できないけど選びました」

本屋に生まれ変わったスクールバス。内装にもこだわりがあります。

店主・畠中沙幸さん
「再利用とか古いものを活かすということで、古本と通じるところがあるんですけど。座席はもともとバスについていた座席」

訪れた人は
「とってもかわいいですよね。レトロな雰囲気というんですか。本がもっと好きになるんじゃないですかね」

店主・畠中沙幸さん
「バスが見たいからとか、親戚のおうち、友達のおうちに来たようなリラックスした雰囲気で過ごしていただけると嬉しいです」

そう語る畠中さんおすすめの一冊は。

店主・畠中沙幸さん
「これがおすすめです。ぶながやと平和のタネ」

作者は紅型絵本作家のたいらみちこさん。絵本には紅型特有の色鮮やかな絵が広がります。

店主・畠中沙幸さん
どのようにしたら平和な世の中になるのか種を探しましょうと、小さいお子さんから大人の方も、県外の方も(絵が)きれいなので手に取られたりとか、お土産にされる方もすごく多くて。絵本を通して平和について考えさせられる一冊です」

那覇市安里の栄町市場に店を構えて10年になる小さな古書店「宮里小書店」。

副店長の宮里綾羽さんがセレクトした本など、様々な種類の本が並びます。

副店長・宮里綾羽さん
「こんなところに本屋さんがあったのかという方と、訪ねてきてくれる方も、ほぼ外なので寒かったり暑かったり大変なんですけど、それが逆に楽しいみたいです」

ここの特徴はこれだけではありません。

副店長・宮里綾羽さん
「タンカーマンカー。お向かい同士です。市場ではここだけです」

宮里小書店に向かい合うように商店が営業しています。

お店に立った始めのころは、市場の人との距離感に驚くこともあったと話す宮里さんですが。

副店長・宮里綾羽さん
「途中から市場に居ること自体が楽しくなってきて、本屋さんに座っているというより、市場に座っているという感じです」

そんな宮里さんが紹介する一冊は。

副店長・宮里綾羽さん
「タンカーマンカー、お向かいさんの金城さんのお話を聞いているうちに、市場の人たちの話もどんどん聞きたいなと。それをみんなに共有したいなという想いからできた本です」

金城さんとの会話や栄町市場の日常や雰囲気などを宮里さん自身が綴ったエッセイです。

副店長・宮里綾羽さん
「本を通して人と出会うというのは本屋さんに行ったら出来ることだと思うので、それが(本屋の)魅力かなと思います」

ところかわって沖縄市のTABINEKOBOOKS。

店内ではコーヒーやビールを飲みながら購入した本や持参した本を読むことが出来るカフェスペースが設けられ、落ち着いた時間を過ごすことが出来ます。

堀家盛司さん
「あそこに行けば自分自身が本を読むモードになれるという場所を作りたいなと思っていて」

経営コンサルタントを行っている堀家さんが1年前に開いた念願の書店。でもここの店長は堀家さんではないんです。

「こちらがネコ店長のにゃぶろうさんです」

事務所の裏方として勤務していますが、店のオリジナルグッズのモチーフになるなど広報も担っています。

ネコ店長のにゃぶろうさんにお薦めの一冊を聞きたいところでしたが、この日は寝起きということもあり、堀家さんに紹介していただきました。

堀家盛司さん
「トラネコボンボンの365日猫と世界のどうぶつ記という本です」

料理人そして作画家としても活躍する中西なちおさんが手掛けたこの本は、動物新聞の編集長「トラネコボンボン」が1年365日、世界の様々な動物と会う様子を描いています。

堀家盛司さん
疲れたという時にぱっと開いて、お休み前とか一息つこうという時に手に取っていただける本ではないかなと思います。電子書籍だったりネット上の読み物もたくさん読むんですけど、ページをめくっていく感触もそうですし、いろんなの手段があって、そのなかでリアルな本にはリアルな本の良さがあると(思っている)」

個性豊かな3つの本屋さんと本に魅せられた3人がそれぞれの視点でお薦めした1冊。

みなさんもこの機会に書店に足を運びお気に入りの一冊をみつけてみてはいかがでしょうか。

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