逮捕された那覇市議会の前議長 背景にある土地の巨額売買
那覇市議会の前議長が逮捕された贈収賄事件で、警察は逮捕された4人の認否を明らかにしていません。
久高前議長が議長室で現金5000万円を受け取った疑惑が明るみに出たのは今年2月のことでした。
今年2月・久高友弘議長(当時)
「ある人間が資金をどうにか都合しておくから受け取ってくれと。議長の力も貸してくれと。真実を追求して市民のために役立つ政治家として私はやってきたつもり」
疑惑の舞台となったのは那覇市おもろまちの水道局などがある市内の一等地。
一般の女性が所有権を主張し市と裁判で争ってきましたが、2006年に市有地であることが認められています。
久高容疑者は所有権を訴える女性からの陳情を受け議会の中で繰り返し市の当局を追及していました。
久高那覇市議(2019年6月当時)
「定例会戦後のどさくさにまぎれ個人の土地が那覇市水道局の所有地となっている。所有権を主張している市民の方に返還すべき土地なのか、議員の皆様方も真剣に考えていただきたい」
背景には土地をめぐる巨額の売買がありました。
久高氏への現金の受け渡しに関わったとされる不動産会社の代表は沖縄テレビの取材に証言しました。
不動産会社代表
「(女性に所有権が移れば)俺は100億で買い取るようになっている。きれいに片づければ300億で買い手もつけてある。『あんたが買うんだったら買う証拠を、金を入れなさい』と(議長に)言われて5000万円を持って飛んできた」
逮捕を受けて那覇市の知念市長は次のように述べました。
知念那覇市長
「今回の逮捕は残念。(土地の所有権に関しては)議場でも取り上げて理論的な証明がなされたと思っている」
収賄の容疑で逮捕されたのは久高前議長と所有権を主張していた女性の後見人とされる村山末子容疑者の2人。
金を渡した鹿児島県の無職・小池隆一容疑者と東京都の会社役員・小原健司容疑者が贈賄の疑いで逮捕されました。
警察は今後の捜査に支障が出るとしていずれの認否も明らかにしていません。
警察は15日、沖縄県警察本部に120人態勢の特別捜査本部を立ち上げ、久高容疑者らが受け取った金の流れなどを調べ事件の全容解明を急ぐ方針です。
あわせて読みたい記事