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沖縄県子どもの権利の日 家事や家族の世話を日常的に行うヤングケアラーの支援につなげるために 

沖縄県は11月17日を子どもの権利の日と定めています。
子どもの権利とは大きく分けて、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利の4つで、こうした権利を保障し子どもが安心して暮せる環境を作ろうと県が2021年に制定しました。

いっぽう、県内には家事や家族の世話を日常的に行っているためやりたい事ができない児童生徒が、推定でおよそ2450人いるという県の調査結果が2023年発表されました。

こうした子ども達を支援するために今年度から県に配置されたヤングケアラーコーディネーターの役割についてご紹介します。

「子どもの権利の日」に合わせて県立図書館で始まった特別展。
企画したのは県のヤングケアラー・コーディネーターを務める石川七恵さんです。

石川七恵さん:
『ヤングケアラーに関する周知・広報を目的として掲示をさせて頂くものと企画展示ですので、ヤングケアラーに関する書籍を集めて手に取って頂きたいと思いました』

ヤングケアラーとは、本来、大人が担うとされる家事や家族の世話などを日常的に行う18歳未満の子どもの事で、県内には7500人近くいることが県の調査でわかりました。

そのうち学業など何らかの影響が出ていて、支援が急がれる子どもはおよそ2450人いるとみられます。

▽石川七恵さん:
『県の調査でも出てきたのが「子ども達の自認が低い」、自分自身がヤングケアラーなのかなとか、SOSを出していいことなのかな』

ヤングケアラーの問題として、当事者がヤングケアラーという自覚がなく、世話による負担や影響に気づいていない事が挙げられます。


県が小学5年生から高校3年生を対象にした調査では、1日7時間以上世話をしているにも関わらず「自分がヤングケアラーにあてはまる」と回答した児童生徒は1~2割にとどまっていて、長時間世話をしていても自分の状況を認識する難しさが推察できます。


石川七恵さん:
『子ども達自身が本に触れてもしかしたら私はそうなのかなとか、何か(考える)きっかけになればいいなというところで』

公認心理師や、キャリアコンサルタントの国家資格を持ち10年以上、学校現場などで子ども達の支援を続けてきた石川さん。

今年4月からヤングケアラー・コーディネーターとして配置され、関係機関と連携しながら、当事者や家族を訪問看護や家事支援などの適切な福祉サービスに繋げています。

主に学校や市町村などが、ヤングケアラーを発見したがどこの支援機関に繋ぐべきかわからないという相談に応じています。

▽石川七恵さん:
『(要因に)困窮があったり、多子があったり、ひとり親があったり、いろんな支援のところにつなぐ技術というか情報をもっていないといけない』『少しでも早く支援介入できるようにというところで、役に立てる仕事としてあるのかなと感じています』

県は11月17日を「子どもの権利の日」、そして23日までを子どもの権利週間と定めています。

Qこの機会にどういうことを改めて考えてもらいたいですか?
▽石川七恵さん:
『子どもってまだまだ守られるべき存在で、大人になったときにきちんと自立するために今何をするということを大人が考えてあげないといけないかなと思います』

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