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国頭村宜名真の秋の風物詩 フーヌイユに異変

国頭村宜名真で秋の風物詩として知られるシイラ漁。
地元では富がある魚「フーヌイユ」と呼ばれ、港にはこの時期恒例の天日干しが並びますが、今年はその様子に異変が起きています。

国頭村宜名真では、およそ300年続くといわれる伝統のパヤオ漁で富をもたらす魚を意味するフーヌイユ(富ぬ魚)・シイラを釣り上げてきました。

年間およそ1.5トン水揚げされる年もある海の恵みは地域の漁業を支え、知恵が詰まった天日干しは古くから保存食として人々に親しまれてきました。

今年も宜名真では先月からシイラ漁が始まりました。

沖合に設置したパヤオを中心に円を描くように漁船を走らせ、フーヌイユを狙いますが。

この日獲れたのは数匹ほど。なかなか漁獲量が上がらず、風になびく天日干しも例年に比べると寂しい風景です。

国頭村宜名真区・浦崎光男区長
「今年は最初から全然ダメで。90歳近くなる人がいるんですけど、やり始めてから1番の不漁だと言っています」

浦崎さんは海水温の上昇など気候変動の影響を受けているのではないかと落胆しています。

水揚げの最盛期を迎える毎年11月に開かれていた「フーヌイユまつり」には旬の味を求めて多くの人が漁港を訪れました。

新型コロナの影響で4年前から中止が続いていましたが、魚が獲れない状況などを踏まえことしも開催を見合わせました。

浦崎さん
Qまつりどころじゃない?
「もう今回はいままでで一番の不漁なので」

来月からはソデイカ漁のシーズンに入ることから、フーヌイユの漁獲量は伸びない見通しです。

宜名真の気候や風土が育んできたフーヌイユ漁。

季節は移り変わりますが、また来年地域に活気を呼び込む魚が戻ってきてくれることを人々は心待ちにしています。

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