危険ドラッグ疑われる救急搬送 沖縄県内で前年の9倍に
大麻に似せた合成化合物を含むいわゆる大麻グミなど、「危険ドラッグ」が原因とみられる救急搬送が、ことし沖縄県内では10月末までに36件確認され、前年の9倍に上っていることがわかりました。
危険ドラッグはグミやクッキー電子タバコなど様々な形態で販売されています。
県衛生薬務課が1日発表した統計によりますと、県内でこれらの危険ドラッグを摂取し体調不良になるなどして病院に救急搬送された数は、ことしは10月末までに36件で、前年の同じ時期の4件から9倍に増えています。
県が10月に調べた際には9月末までに15件でしたが、いわゆる「大麻グミ」を食べた人が体調不良を訴えるケースが東京や大阪で相次いだことを受けて県が改めて各消防や警察に照会したもので、県は危険ドラッグが広く認知されたことで報告数が増えているとみています。
危険ドラッグは幻覚や幻聴、嘔吐など様々な健康被害が報告されていることから、県は安易に購入せず他人からもらった不審な食品は食べないよう呼びかけています。
ところで厚生労働省は東京や大阪で問題となった大麻グミに含まれる合成化合物HHCHを指定薬物の対象に加え所持や販売、製造を12月2日から禁止します。
一方、幻覚などを引き起こす大麻の成分・THCに似せた合成化合物の規制は「いたちごっこ」の状態が続いていて、今年3月にHHC、8月にTHCHと規制が繰り返されてきました。
市場に出回る危険ドラッグや薬物依存に詳しい湘南医療大学の船田教授は警鐘を鳴らしています。
湘南医療大学・舩田正彦教授
「現在流通している化学成分の中で指定されていない、規制されていないという文言がよく出て来るわけですが、これは安全だから規制されていないという事ではなくて、その作用がまだ確認できていない。どのような危険性があるのかという事が必ずしも明確でないという所を、やはり注意をしていただきたいと思います」
船田教授インサート船田教授は同じような化合物を包括的に規制する必要があると指摘しています。
舩田教授の指摘にもあったように、今後も似た成分を含んだ製品が出てくる恐れがあることを踏まえ。政府は早ければ年明け以降にも似た成分をまとめて規制対象とする「包括指定」を行う方針を明らかにしました。
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