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コロナ感染者救った「とりで」がその役目を終える

新型コロナの感染拡大による医療のひっ迫を抑えるために開設された入院待機施設の閉所式が30日行われ、県の糸数保健医療部長が運用に尽力した医療スタッフらを労いました。

那覇市にあるこの施設は、新型コロナに感染し入院が必要な患者を一時的に受け入れる「入院待機ステーション」として救急医療のひっ迫を抑える機能を果たし、今年5月の5類移行後は高齢者専用宿泊施設や感染者ケアステーションとして再稼働しました。

県保健医療部の糸数公部長は「医療提供体制がひっ迫する中、救急搬送の負荷の軽減に努めた」と振り返り、施設で従事した医療スタッフらを労いました。

2021年6月、重症化しやすいデルタ株が流行した第5波の時期に運用が始まった入院待機ステーション。

医師や看護師などが常駐して酸素投与を行うなど緊急性の高い患者を見過ごさず、特に入院調整が難しい夜間の救急患者の受け入れを担い、救急隊が現場で対応する時間の短縮にも繋がりました。

これまでに県内の入院待機施設で受け入れた患者は合わせて2231人にのぼるということです。

通常の医療提供体制への段階的な移行が進められる中、新型コロナの感染者も減少傾向にあることを踏まえ閉所が決まりました。

看護総括・新垣綾野さん
「(去年の夏に)結構感染者数が増えて、国の派遣で看護師の方がきてくれて協力してもらった。沖縄県の方の命が守れたのではないかと感じます」

未曾有のパンデミックの中、医療機関と連携しながら多くの人を救った「命のとりで」は静かにその役目を終えました。

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