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こども食堂が目指す「みんなの居場所」

8年前、沖縄で初めての子ども食堂として開業した「ももやま子ども食堂」。

子どもだけでなく多くの人に開かれた場でありたいと今、運営費用を寄付するサポーターを募っています。

ももやまが目指す「みんなの」居場所とは。

2015年、沖縄で初めて子ども食堂として有志によって立ち上がったももやま。

地域には子ども一人もしくはきょうだいだけで食事をしたり十分に食べられない子がいて、その背景には親の貧困がある。

子どもや家庭に手を差し伸べる取り組みは今では沖縄全体に広がりました。

オープンからまもない頃、お母さんと訪れたきょうだいがいました。

3人の子の母親
「土曜日に仕事が入ったら置いていかないといけない子どもだけ。そういう時に気にかけてくれる声をかけてくれるので助かります、安心です」

3人きょうだいの一番上のお兄ちゃん、石川空飛さん当時は小学5年生。

あれから8年、空飛さんは19歳になりました。

石川空飛さん
「家以外の落ち着ける場所がここ、ももやまだから。気軽に来れるという感じ。もう一つの家みたいな感じ。安らぎとかくつろげる」

当初ボランティアとして携わっていた菅原耕太さんは空飛さんの中学入学を見届けたいと職員になることを決めたと言います。

みんなのももやま子ども食堂・菅原耕太さん
「すごくしっかりしている感じだった、空飛が下の子達を守っている。本当に喋らないんですよ。来てはくれるけど気持ちの部分で閉ざしているのがあるのか」

ももやまで片づけや整頓を率先してやっていた空飛さん。そんな彼を見た菅原さんは高齢者宅を訪問するボランティアへ参加しようと誘いました。

石川空飛さん
「手の届かないところ拭いたり重いを荷物を持ったり。ありがとうね~助かったよという言葉が多かったかな。めっちゃうれしいですよ。ただうれしくて、またやりたいという意欲が出てくる」

高校生になっても毎日欠かさずお年寄りの庭の水やりを手伝うなど、地域と関わることで自信をつけてきました。

この経験を「三方良し」と語る菅原さん。お年寄りの笑顔と空飛さんの成長そしてももやまが目指す道を見つけることができたからです。

菅原耕太さん
「子ども食堂に来ている困っている子どもたちって見られがちだった。そうじゃないことを証明した。十分に地域で活躍できるんです」

子どもは地域の中で育つ。

誰もが気軽に訪れる交流の場でありたいと願い、おととし一般社団法人となった際、名称を「みんなの」ももやまこども食堂に変えました。

金城わか菜キャスター
「きょうも和やかに食卓を囲むももやまこども食堂。いま毎月継続して寄付をするサポーターを募集しています」

現在、ももやまは「沖縄市子どもの居場所運営支援事業」の補助金を活用しおおむね18歳以下を対象に「夜の子どもの居場所」を開いています。

今後はマンスリーサポーターからも継続した寄付を得ることで、年齢問わずより多くの人が交流できる場をさらに展開していきたいと考えています。

菅原耕太さん
「マンスリーサポーター制度では毎月いくらいただけると予測が立てやすい。もう一部屋借りよう、もう一人遊ぶスタッフを入れてあっちの公園に担当してもらおうと、そうやって活用させてもらったらいいかな」

ももやまが生活の一部だったと語る空飛さん、この場所で安らぎも自信も得てきました。

今年4月、大学に入学。ももやまの手伝いもしています。

石川空飛さん
「自分がここまで成長できたのもここのおかげ。子どもたちと関わってもっと成長したい、ここも良くしていきたいのがある。将来もボランティアに携わる仕事にしたい。人の役に立ちたいというのが大きい」

菅原耕太さん
「子ども・若者はステージさえ整えば地域に活動できる活躍できるんですと証明していきたい。誰もがそういう可能性があって引き出していく。一緒に見つけていく。より多くの人に運営を下支えしてもらうことで誰もが立ち寄れる場を増やしたい。それがももやまの目指す「みんな」の居場所です」

現在ももやまは自治体の補助事業である夜の子どもの居場所のほかにも、乳幼児と親が集う子育てサロンを展開し、公民館を使った遊び場を提供することにも力を入れています。

今後はお年寄りや学校に所属していない引きこもりの若者などが集まる仕掛けを作っていきたいとしています。

みんなのももやま子ども食堂は毎月1000円から継続寄付してくれるマンスリーサポーターをインターネット上で募集しています。

クラウンドファンディングのプラットフォームreadyforから寄付できます。

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