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移設問題に翻弄されてきた住民の思い

この問題に翻弄されてきた宜野湾市や名護市の住民、そして移設に反対する市民たちはどのような思いでこの日を迎え、判決をどう受け止めたのでしょうか。

普天間基地を抱える宜野湾市に暮らし、基地の早期の閉鎖と返還を訴えてきた人々は。

「予想通り」

山城賢栄さん
「埋め立ては裁判の結果ですから、仕方ない。とにかく普天間をなんとか早めに閉鎖してもらいたい」

山城廣司さん
「普天間飛行場の危険除去が、(普天間基地が)無くなるような方向に進むのかなという期待はあります」

国による代執行で辺野古移設が進展することに複雑な思いも滲ませます。

山城賢栄さん
「あすからでも工事始まるというようなことになると思うんですが、それから12年かかると言われる報道ですから。その間に世の中どうなるかわからない。大変。なんて言っていいか、情けないですね」

名護市辺野古のキャンプシュワブのゲート前には雨の中工事の中止を訴えて座り込む市民たちの姿がありました。

「予想した通りではありますけど、とても残念です。私たちはずっと抗議してきています。訴えてきています。これを継続するという決意を新たにしている」

渡具知武清さん
「国に立ち向かうという決心をする日でもあるんですよ」

大浦湾を望む名護市瀬嵩で生まれ育った渡具知武清さん。

地元の海が辿る行方を見守りたいと名護からはるばる法廷に足を運びました。

渡具知武清さん
「良い結果が出ることを海に向かってそれを祈ってここに来た」

未来を生きる子どもたちに大浦湾の豊かな海と自然を遺したい。

渡具知さんと家族は移設問題が浮上してから長年にわたり、平和を願ってキャンドルに明かりを灯す活動や大浦湾のすぐ側にモニュメントをつくるなど、反対の意思を訴え続けてきました。

県の敗訴が決まった瞬間を目の前で見た渡具知さん。

渡具知武清さん
「がっかりですよ。今までの苦労が報われなかった。怒りを通り越しているね」◆「今まで27年間精神を使い果たしてきて、あんな簡単に裁判官が何分間足らずの(判決文を)読んで」

ともに歩んできた家族からの励ましの言葉もあり、渡具知さんは再び前を向きたいと話します。

渡具知武清さん
「へこたれずやっていこうという気持ちになりました。マイナスじゃないですから、きょうのことは」

大浦湾を守るため諦めずに声を上げ続ける決意を新たにしました。

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