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失明した高校生「自分が受けた被害に対し刑が軽すぎる」 警察官に罰金判決

去年1月沖縄市でオートバイに乗っていた男子高校生に右目を失明するけがをさせた罪に問われている警察官の裁判で、那覇地裁は罰金100万円の判決を言い渡しました。
裁判は、去年1月沖縄市で暴走行為の警戒にあたっていた警察官の被告(31)が、当時17歳の男子高校生が運転するオートバイを止めようと警棒を持った手を差し出し高校生に右目を失明する大けがをさせたとして業務上過失傷害の罪に問われているものです。
裁判では検察が罰金刑を求める一方被害者の弁護人は「過失であったとしても重大な結果を招いた」として禁固刑以上の実刑を科すべきと主張していました。
25日の判決で那覇地方裁判所の佐藤哲郎裁判長は、被告の行為について「とっさの出来事とはいえ重大な結果を生じさせる危険なものであり、基本的な注意義務に反する重大なもの」などと指摘し、検察の求刑通り罰金100万円を言い渡しました。
当時高校生だった被害男性(19)の弁護人によりますと、男性は表情を変えず判決を聞いていましたが、「自分の受けた被害に対し刑が軽すぎる」と話したということです。
公務員は禁固以上の刑に処せられると失職すると定められていて、弁護人は検察と裁判所が警察官の被告に配慮したのではないかと指摘しました。
被害者の代理人弁護士
「結局は被告人の言うことを前提とした判断になってしまった。求刑のところから被告人の言い分を前提とした求刑になっていた。今回の処分は非常に軽い、甘いと言わなければならない」
県警は「判決を真摯に受け止め、再発防止に向けて全力で取り組む」とコメントしています。
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