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「民意が顧みられなかった」 辺野古代執行訴訟 沖縄県が上告

普天間基地の移設計画を巡り、国の設計変更を承認するよう命じた高等裁判所の判決を不服として県は最高裁に上告しました。

一方、県に代わって設計変更申請を国が承認することを通知する文書が県に届きました。

名護市辺野古の大浦湾側で見つかった軟弱地盤の改良工事を巡り福岡高裁那覇支部は今月20日、県に設計変更申請を承認するよう命じる判決を言い渡しました。

判決に対し県が期限までに承認しなかったことから、斉藤国土交通大臣は県に代わって承認すると表明し、28日の午前9時半から12時ごろまでに承認書を作成し、沖縄防衛局に交付することを通知する文書が27日午前、県に届きました。

国が地方の権限を取り上げ、県に代わって承認を行う代執行は全国で初めてのことになります。

急性肺炎のため今月21日から入院していた玉城知事は27日、およそ1週間ぶりに登庁しました。

玉城知事
「承認できないということで私の考えははっきり表明をさせていただいております。対話によって解決を求めていくということが、本来地方自治法の定めるところ、憲法のもてる本旨であると我々は認識をしております」

20日の代執行訴訟の判決の受け止めを初めて自らの言葉で語った玉城知事。

県はこのあと、高裁判決を不服として最高裁に上告しました。

玉城知事会見
「多くの沖縄県民の民意をという真の公益を顧みなかったことは司法自ら『辺野古が唯一』との固定観念に陥ったものといわざるを得ません」

また、政府が代執行に向け準備を進めていることには「沖縄だけでなく全ての都道府県で起こりうることで、地方自治を否定する先例となりかねない」と批判しました。

県が上告しても国が代執行で承認すれば大浦湾側の工事が可能となりますが、「軟弱地盤の改良が難工事と言われることから今後も新たな変更承認申請が複数行われる可能性がある」として、厳正に審査する考えを述べました。

玉城知事
「承認権限を有する知事として厳正に審査をしていかなくてはならないということを考えますと、これからの様々な状況も不透明な状況が続いていくのではないかということは申し上げざるを得ないだろうと思います」

玉城知事はあらゆる手段で移設工事を止める決意を重ねて示し、政府に対しては引き続き対話を求めていくと述べました。

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