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首里城再建の一翼担う若手の女性宮大工

仕事始めを迎えた再建工事の現場には若き女性宮大工の姿がありました。現在の再建工事で初めて起用された女性の宮大工2人にこれからの抱負を聞きました。

後藤亜和さん(21)
「今年は声を出して頑張ろうと思います。宜しくお願いします」

小松優喜さん(23)
「去年に引き続き、自分にできることを一生懸命やっていくので宜しくお願いします」

先輩の職人とともに作業に励んでいるのは北中城村出身の後藤亜和さんです。

この日、後藤さんは正殿の屋根を鮮やかに彩る「唐玻豊」の下絵を描いていました。

後藤亜和さん
「こういう彫刻をやったことがないので、想像力が足りないので、まだまだ全然足りていないんですけど」

木造住宅の設計士である父のもとで大工としての仕事を始めた後藤さん。

父から首里城の再建工事に参加してみないかと提案されたことをきっかけに、去年の秋から今の現場に仲間入りしました。

後藤亜和さん
「こっちの現場では、県内外のいろんな高いスキルを持った大工さんたちがたくさんいらっしゃるので、いろんな大工さんの意見を聞くことができるのが大きいと思っています」

彫刻士・砂田清定さん
「素直に受け答えしてくれることが一番大事だね。上手くなるとかならないとかではなく、パートナーとして素直に考えてくれるので仕事はしやすいです」

ベテランの技を間近で見て、後藤さんは毎日大きな刺激を受けています。

後藤亜和さん
「いろんな大工さんがいるので、いろんなやり方を見ていろんな大工さんに教えてもらって、自分に合うやり方を見つける。(再建に)携われる誇りが自分を仕事を頑張らせてくれる原動力になってくれているかなと思っています」

木材の墨付け作業に携わっているのは福岡県出身の小松優喜さん。

墨付けとは木材を加工するための線を引いたり目印を付けたりする作業です。

小松優喜さん(23)
「”女性やけん、あれできんね”って思われたくないので、そこは負けないようにしたいんですけど、やっぱり力仕事はどうしても負けてしまうところがあるので。女性でも絶対墨付けはできるので自分にできることをしようかなと思って」

小松さんの親方が再建に携わることとなり、それをきっかけに小松さん自身も加わることとなりました。

小松優喜さん
「すごく自分としては責任重大な仕事だなと思っていて、やらせていただけるのはありがたいので自分もいっぱい勉強して頑張りたいなと思っています」

5年前、首里城火災のニュースを見て小松さんは心を痛め少しでも力になりたいと強く感じていました。

小松優喜さん
「本当に何かしたかったんですよね。少しでもそのときの思いを仕事に表現できたらなと。伝統的な昔からある建物を昔からの技法で遺していく、繋いでいくような仕事なのかなと自分では思っています」

再建を通して首里城の伝統技術を受け継ぎ日々研鑽を重ねている2人にこれからの抱負を聞きました。

後藤亜和さん
「こんな大事な仕事に携わることができると思っていなかったのでワクワクのほうが大きいんですけど、学べる環境は本当に人生にあるかないかなので、真剣にやっていきたいと思っていますし、今学べることは学んでいきたいと思っています」

小松優喜さん
「首里城って教科書に載っていたレベルで有名だと思うし、自分も小さいころから知っていたので、すごく誇らしいし光栄だし、ありがたいなという感じですし、少しでも沖縄の方々のために頑張れたらなと思っています」

若い力が加わって、再来年秋の完成を目指す正殿。在りし日の姿が甦るその時まで2人は一日一日歩みを進めます。

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