トップ争いに食い込めるか 闘志燃やすおきなわマラソン県勢有力選手
本島中部路を駆け抜ける第29回おきなわマラソンがいよいよ2日後に迫りました。
2019年大会に初出場ながら県勢トップの3位に入った宮城壱成選手が国内トップ選手に食らいつくべく闘志を燃やしています。
長年トラック競技で培ってきた力強いストライドを見せるのは、宮城壱成選手(29)。
3000メートル障害の県記録保持者でありながら、去年11月の尚巴志ハーフマラソンで優勝を果たすなど、長距離でも着実に力をつけてきています。
宮城壱成選手
「10月中旬ごろからおきなわマラソンに向けてトレーニングしていましたので、順調に怪我もなく練習を積めていて、めちゃくちゃ調子が良いですね」
自身3度目の挑戦となるおきなわマラソンに向け順調な仕上がりを見せる宮城選手。おきなわマラソンには強い思い入れがあります。
初出場は2019年。ケニア出身の実力者、サイラス・ジュイ選手や、上武大で3年連続箱根駅伝に出場した太田黒卓選手など並みいる猛者たちの中、粘り強い走りを見せます。
しかし、レース後半、全国屈指の難コースと言われるおきなわマラソンの高低差が宮城選手に襲い掛かります。
トラックが主戦場の宮城選手にとって30キロ以降は未知の領域。先頭の姿が徐々に視界から遠のいていきました。
宮城壱成選手
「失速してからは悔しかったんですけど、めちゃくちゃきつかったので耐えることしか考えていなかったですね」
悔しさを味わった一方で、この大会がマラソン競技に本格的に向き合うきっかけにもなりました。
宮城壱成選手
「逆に楽しさを発見できて、完走できると達成感もあってマラソンは良いなと思いました」
初出場から5年、今大会に向けた秘策も用意しています。
宮城壱成選手
「厚底シューズ。厚底に変えるだけで薄底の時と比べてペースは絶対上がるんですよ。上がるのに疲労が溜まりにくい、神のようなシューズです」
マラソン用の厚底シューズは、着地時にカーボンの跳ね返りによって推進力を生み出し、タイム短縮に繋がります。
使用したトップランナーが軒並み好タイムを叩き出していて、マラソン界に「ゲームチェンジ」を起こした厚底を履きこなすことが勝利の「前提条件」になりつつあると言われています。
宮城選手は厚底に合った走法の習得やフィジカルトレーニングにおよそ4年を費やしてきました。
所属する育夢舎ランニングクラブのヘッドコーチ、盛吉さんは「何事にも妥協しない宮城選手の姿勢はマラソン競技に向いている」と太鼓判を押します。
育夢舎ランニングクラブ・盛吉弘ヘッドコーチ
「普通は飽きるんですけど3万メートルも走ると。けれども彼はペースを乱すことなくそれを淡々と走れることに彼の強さというか魅力というか、それがひいてはマラソンの適正に繋がってくるのかなと。すごく楽しみですね」
中学時代クラブチームで先輩達から刺激を貰っていたという宮城選手。その経験を還元しようと、後輩との練習の時間を大切にしています。
宮城壱成選手
「長距離はきつくなってからが大事なスポーツなので、離れがちな子だったり離れそうな時には『あと100メートル頑張ろう』とか『あと200メートル頑張ろう』とか『この1本頑張ろう』とか声掛けしています」
後輩
「壱成さんが誘ってくれなかったら陸上をやっていなかったので偉大な人です。先輩らしい走りをしてほしいです。順位は1位を取ってほしいです」
持ち前のストイックな姿勢で鍛錬を積んできた宮城選手。自身を長距離の道にいざなってくれたおきなわマラソンをこれまでの集大成と位置づけます。
宮城壱成選手
「おきなわマラソンにめちゃくちゃかけています。おきなわマラソンでは沿道だったりテレビだったり、いつも練習している中高生やコーチ監督とかも応援してくれているので、しっかり練習の成果を発揮して優勝争いを狙っていきたいと思います」
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