【特集】オキナワンロックのレジェンド ”ひげのかっちゃん”の生きざま

去年4月にこの世を去ったオキナワンロックのレジェンド、「ひげのかっちゃん」。今も鮮烈に記憶に刻まれたかっちゃんの姿を収めた、一冊の写真集が発売されました。
最後までロックな人生を駆け抜けた「かっちゃん」人々を魅了したものに迫ります。
沖縄市のプラザハウスで開かれている写真展。在りし日のかっちゃんの写真や縁の品々が展示されています。
▽来場者は:
「破天荒というか考えられないようなことを。みんなを喜ばせるパフォーマンスで胸がいっぱい、最後のステージも見たので音市場で」
1970年代、コザで誕生したロックバンドコンディショングリーンは、過激なパフォーマンスと独創的な演奏で沖縄のロックシーンに旋風を巻き起こしました。
リーダーである「ひげのかっちゃん」は、オキナワンロックの生きる伝説として長年ステージに立ち続けました。
2023年4月20日ひげのかっちゃん 川満勝弘さん永眠・享年78
展示会を企画したのは神奈川県出身の写真家noricoさんです。
▽noricoさん:
「なんでも楽しむのがすごく上手な人で、激しい基地の街で育った歴史そのものがかっちゃんという人の中に詰まっているような気がしていて。生きる事の楽しさを教えてくれる人ですね。」
その魅力に取りつかれ、17年に渡り、かっちゃんにカメラを向け続けてきました。その生き様を撮り続け出版した写真集のタイトルは「コンディション・レインボー」。
noricoさんは、かっちゃんと出会った日の事を今も鮮明に覚えています。深夜のライブハウスに偶然その姿を見つけました。
▽noricoさん:
「かっちゃんのジャックナスティというゲート通りにあったライブハウスなんですが、この階段が夜中の3時4時ぐらいまで一番最後までネオンをついてるので。まだ写真撮れるなと思って。この地下なんですけど、階段を降りていったら、この状態のおじさんが髭のおじさんが寝そべっていたと。」
この出会いをきっかけに、noricoさんはカメラマンとしてピースフルラブロックフェスティバルに招待され、オキナワンロックのレジェンドの姿を撮影しました。
▽noricoさん:
「次の日行ってみて、お客さんが後ろを向くのでなんでだろうと思って望遠レンズで覗いてみたら、きのうのひげの人が歌いながら出てきて、お客さんの方から練り歩いてくるので、すごい衝撃を受けて。」
noricoさんは、オーディエンスを熱狂させるかっちゃんの生き様を夢中で撮り続けてきました。
▽noricoさん:
「かっちゃんが『自分が変なことをやってるようにみんなは思っているかもしれないけれど、自分がやりたいんでしょ。それをやれないから、かっちゃんは代わりにやっているだけだよ。』って言うんですよ。かっちゃんを見ていればお客さんがどういう人たちが街に住んでいたかわかるなって思って。だからかっちゃんは街。かっちゃんを見ると街がわかるとか、歴史がわかる。」
noricoさんとかっちゃんはいつしかカメラマンとアーティストの関係からパートナーとして、コザのまちでの生活をともにしていくようになりました。
▽noricoさん:
「かっちゃんと何気ない会話で『ロックってなに?』って聞いた『ら、なににも負けないことだよ』って言って。かっちゃんはものをきくと一言で返してくれる事が多いんですけど、私はこの言葉がすごいかっちゃんらとしいなと思っていて。」
最期までロックな人生を駆け抜けたかっちゃん。ノリコさんは、ひげのかっちゃんの記憶はいつまでも愛したコザの街に刻まれていくだろうと話します。
▽noricoさん:
「やっぱこの街を見ればかっちゃんがふと現れそうな気がしますし。かっちゃんでコザって感じがしますし。コザの街の人っていうのはそういう事だと思うんですよね。かっちゃんは人生を謳歌した人だと思うんですけど、生まれたときから楽だったことって一度もなかったと思うんですよ。状況が楽しい事を生んでくれるんじゃなくて、自分が楽しもうという覚悟を持って生きる事なんだと思います。」
コザの街の景色とかっちゃんの生き様。レジェンドの魂はこれからもオキナワンロックと共にあります。
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