西田議員の発言に何を思う 佐喜眞美術館・佐喜眞道夫館長の想い

ひめゆりの塔の説明を巡り、自民党の西田参議院議員が「歴史の書き換えだ」などと発言した問題について沖縄戦の実相を継承しようと尽力してきた人たちに話を聞きました。
13日は宜野湾市の佐喜眞美術館の館長の想いをお伝えします。
佐喜眞美術館佐喜眞道夫館長:
(沖縄戦の)真実がウソになっている、ああいう言い方をすると逆転していますよね。非常に驚きました
宜野湾市にある佐喜眞美術館の館長、佐喜眞道夫さんです。
1994年に開館した佐喜眞美術館は、丸木位里・俊夫妻が沖縄戦体験者の証言に基づいて描き上げた「沖縄戦の図」を展示するなど、戦争の記憶をいまに伝えています。
佐喜眞美術館 佐喜眞道夫館長:
戦争は政治家が決定して、軍人が戦争を遂行します、塗炭の苦しみを我々が庶民が味わう。女性と子供とお年寄り、戦争で一番ひどい目に遭う、一番ひどい目にあった視点から沖縄戦を見なければ沖縄の真実は見えてこない
「沖縄戦-きゃん岬」には糸満市の喜屋武岬に追い詰められたひめゆり学徒たちが今まさに手りゅう弾で自決しようとする姿が描かれています。
佐喜眞美術館 佐喜眞道夫館長:
この絵の前でね、身動き取れなくなったおじいちゃんがいました。どうかされたんですかと聞きましたら、全くこの世界だった。俺はこのように逃げたんだって言ってね
沖縄戦の体験者が、この絵の前で立ちつくした姿が忘れられないと佐喜眞館長は話します。
佐喜眞美術館 佐喜眞道夫館長:
沖縄の戦後の平和教育は沖縄戦の体験が基礎になってますよね。それを可視化する、論理化する、言語化する、それが沖縄のおじいちゃん、おばあちゃんの証言に基づいて書かれた、継承してきた概念が『命どぅ宝』ですよね
佐喜眞美術館 佐喜眞道夫館長:
おばあちゃんが孫を連れて一生懸命に話をしていくような風景もたくさんありました、人々の継承にもつながっていくわけですね。(西田議員の発言は)話になりません、何も勉強しようとする気がない
佐喜眞館長は、過酷な実体験を後世に語り継いできた体験者の証言を踏みにじることがあってはいけないと警鐘を鳴らします。
佐喜眞美術館 佐喜眞道夫館長:
歴史修正主義は絶対あってはいけない。次の平和を作るためにも真実を元にして考える。非常に大事です。相手とちゃんと話ができる認識力をこっちは持っておかないといけない
絵が物語る80年前の記憶。その真実がゆらぐことはありません。
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