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東大が沖縄から持ち出した遺骨保管を公表 学術調査目的で5つの市町村から収集か
東京大学は、研究目的で沖縄から持ち出したとみられる少なくとも31体分の遺骨を保管していることを公表しました。
東京大学が公表した報告書によりますと、保管されている遺骨は中城村や今帰仁村、石垣島など少なくとも5つの市町村から持ち出された頭の骨などです。
明治時代の人類学者で東京大学の前身東京帝国大学の人類学教室で助手を務めていた鳥居龍蔵は、1904年に「沖縄学の父」と呼ばれた伊波普猷と共に学術調査を行っていて、日記には中城村の墓から遺骨を持ち出したと記しています。
また、同じく人類学の教授だった鈴木尚が保有していた人骨を大学に移す際、収集場所として「那覇市の洞窟」や「風葬墓」と伝えていたと報告されています。
鈴木は1967年から74年にかけて沖縄で現地調査を行っていて、東京大学は研究の一環で遺骨を持ち出した可能性があるとする一方、収集場所の詳細な記録が無いため「推測の域は出ない」としています。
東京大学は遺骨に関する記録について「関東大震災や第二次世界大戦で失われたものが少なくない」としたうえで、沖縄の関係自治体などと連携しながら可能な限り調査を行い、情報を公開していくとしています。
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