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PFAS汚染の公害調停申し立て県の公害審査会が却下 現行法制度での構造的欠陥を行政が公式に認める

沖縄県宜野湾市では24日、マンホールから白い泡が噴き出しているのが確認されました。
1月は市内の別のマンホールからも泡の噴出があり、市民団体の調査では有機フッ素化合物PFASが高濃度で検出されています。PFASが県内の河川などから検出されている問題をめぐっては県公害審査会が先週、市民団体が申し立てた調停について却下する判断を伝えました。

2016年に沖縄県内で初めて確認された有機フッ素化合物PFASによる水道水の汚染問題。

県などは、汚染源はアメリカ軍基地である蓋然性が高いとしていますが、基地内への立ち入り調査は発覚から10年経つ今でも実現していません。

この問題の解決に向けて活動してきた宜野湾ちゅら水会やPFAS汚染から市民の生命を守る連絡会、コドソラの3つの市民団体は2025年10月、防衛省や外務省を相手取り県の公害審査会に調停を申し立てました。

二度にわたる審議の結果、2月21日、市民団体の元に届いた審査会からの決定書には防衛施設であるという理由で却下すると記されていました。
PFASの汚染源と考えられる基地が、問題解決の壁になった格好です。

ここからは喜屋武奈鶴記者とお伝えします。

Q:
そもそも県の公害審査会とはどのような機関なのでしょうか?

喜屋武奈鶴記者:
県の公害審査会は、水質や土壌、騒音など、健康や生活環境に被害を及ぼす公害をめぐる民事上の紛争について、迅速かつ適切な解決を図るために設置された県の附属機関です。中立的な立場で当事者の間に立ち、学識経験者や弁護士、医師などで構成される委員が話し合いを重ね、解決を目指します。
1973年の設置以来、これまでに22件の事案を取り扱っています。

Q:
今回23件目となった市民団体の申し立てが却下された理由は?

喜屋武奈鶴記者:
今回、却下となった理由として、公害審査会が関わる2つの法律が絡み合っていることが挙げられます。公害審査会は環境基本法2条3項の水質汚濁の被害に関する申し立てに該当するとしました。その一方で、アメリカ軍基地などの「防衛施設」は公害紛争処理法の第50条で適用の対象外としています。
通知では、「法律の欠陥は現時点で補正することができない」としていて、環境政策が専門の識者は構造的欠陥があることを行政の第三者機関が公式に認めたと指摘します。

沖縄国際大学 砂川かおり 准教授:
今回人の健康または生活環境にかかる被害があるということを認定させたことは大きな意義があると考えております。現行法制度で米軍基地由来の公害を救出できないという構造的欠陥を行政の第三者機関が公式に認めたという意味を持つと考えております。

喜屋武奈鶴記者:
さらに審査会は「申請者らがPFASが高濃度で検出される現状に不安を抱くのはもっともなところ」としたうえで、「PFASによる環境汚染の実態調査や法規制についてこれまで以上に国が積極的に取り組むことを望む」と記しました。

沖縄国際大学 砂川かおり 准教授:
国は積極的に取り組むべきというふうに決定書に書かれていたわけですけれども、これによって制度の限界が公的に明確化されました。今回の結果が却下だったことを負けあるいは後退と捉える必要はなくむしろ制度の限界を可視化し国の責任を浮き彫りにしたということでPFOS問題の今後にとって重要な前進になると評価しております

市民団体も結果は却下だったものの、一歩前進と評価しています。

宜野湾ちゅら水会町田直美代表:
不安に思うことは当然であると認められたこと。それから政府がもっと積極的に取り組むことを望んでいると、それを公害審査会が認定したということは私たちの大きな評価かなと思っています

Q:
結果が出たあとも宜野湾市ではマンホールから泡が噴き出すなど市民の不安が払拭されない状況が続いていますね。

喜屋武奈鶴記者:
砂川准教授は地位協定によって基地内への立ち入りが出来ないこと、そして日本の環境法が適用されないという問題に直面している状況で国がアメリカ軍に強く言えない政治構造があると指摘します。

また、行政には法制度の制約があっても住民の生命や健康を守る義務があるともしていて、市民団体が求めているPFASの対策にかかる費用の負担など、国が積極的に動くことが求められています。

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