【与那国駐屯地開設10年】地対空ミサイル部隊計画など「なし崩し的強化」最西端の島の住民は複雑な思い
陸上自衛隊与那国駐屯地の開設から10年を迎えました。
この間、新たな部隊が展開されたほか、2030年度には地対空ミサイル部隊も配備される予定で、住民からは懸念の声や機能強化に複雑な思いを抱いています。
28日に開かれた駐屯地開設から10周年の式典で、与那国駐屯地駐屯地司令の小俣好史一等陸佐は、機能強化の意義を強調しました。
与那国駐屯地司令 小俣好史 一等陸佐:
駐屯地隊員諸官、戦後を最も厳しく、複雑な安全保障環境と言われる昨今、当駐屯地に予定される今後の部隊配備、駐屯地機能の拡充は、この情勢の変化に裏打ちされたものであり、我々に対する期待の表れでもある。これ故に我々に課せられた使命役割は、この島を守ることの一点に尽きる
2016年に開設された与那国駐屯地は当初、沿岸監視隊のみでしたが、2024年には電子戦部隊が設置され、2030年度には地対空ミサイル部隊の配備を計画しています。
ミサイル部隊はまだ計画段階ですが、式典では発射機を含む、中SAM・中距離地対空ミサイルシステムを実際に島に運び込み、展示も行われました。
駐屯地の機能強化に反対する住民からは、ミサイル舞台の配備に反対する声が上がりました。
抗議参加の住民:
強引過ぎて、この小さい島にこういう戦争の準備をされるという事は、標的の的となるんですね。私たちの声を聞いて下さいと事あるごとに声を出し続けているのですが、無視されている
上地常夫町長は、駐屯地開設の経緯や、災害派遣での対応などに触れて「自衛隊は島に欠かせない」と評価する一方で、「さらなる機能強化については丁寧な説明を求める」立場です。
上地常夫 町長:
紆余曲折ありましたが、2015年の住民投票や様々な議論を経て、駐屯地が設置されました。防衛省・沖縄防衛局におかれましては、さらなる機能強化、与那国駐屯地が果たす役割について、今後とも住民に丁寧な説明をなされるよう強く要望いたします
上地町長は、配備が計画されている地対空ミサイル部隊について、態度を明らかにしていませんが、防衛省は3月2日、町民への住民説明会を行っています。
町民からは、地対艦ミサイルなどさらなる配備強化も見据えているのではないかと懸念する声も挙がっています。
式典では、自衛隊のヘリコプターによる子どもたちを対象にした搭乗体験や、日米の合同コンサートなども行われ、住民との親交をアピールする場面も見られました。
駐屯地の開設により、地域の活性化につながっていると評価する人の中からも、この10年間を見るとなし崩し的な部隊強化になっていないかと懸念を示す声が上がっていて、最西端の島には複雑な思いが交差しています。
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