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西表島の生き物をAI図鑑で調査 ジャングルでWiFi使えたわけは?

生き物図鑑もAIが活躍する時代になっています。世界自然遺産の西表島でAIアプリを活用して豊かな生態系を確かめる生き物調査が実施されました。インターネットが繋がらない西表島のジャングルでAI図鑑による調査を可能にしたのは最新の通信技術でした。

世界自然遺産の西表島。壮大な森林や日本最大のマングローブが広がる豊かな自然の中には絶滅危惧種のイリオモテヤマネコをはじめ様々な固有種が暮らしています。

そんな西表島の生き物を詳しく観察する助けになるのがAIにより生物情報を調べることができるアプリ「バイオーム」です。バイオームを活用した生物調査に同行しました。

西表島の森林地帯を南北に流れる全長39キロ、幅500メートルの県内最大の川、浦内川をのぼり調査エリアを目指します。

調査エリアに到着した様子貴重な生態系を守るため外来種や種を持ち込まないようしっかり靴底を消毒した上で林道に入ります。

山城志穂記者「いまからバイオームのアプリを使って、西表島の植物をいろいろ調べてみたいと思います。」

植物を探している様子アプリを起動し写真を撮るとAIが何の生き物なのか判定してくれます。しばらく森林の中を探索していると木にしがみつくかわいらしい生き物を発見。何という生き物でしょうか?

先島諸島に多く生息する準絶滅危惧種のサキシマキノボリトカゲであることが分かりました。

バイオームのアプリには日本国内に生息するほぼ全ての種、およそ10万種が収録されていて写真を撮影するだけで搭載されているAIにより生物情報を判定できます。

バイオーム杉山実優さん「名前なんだろう。トカゲだけどなんだろうというのを、バイオームのアプリを使って、一歩踏み込むお手伝いができたら。」

専門家でなくとも生き物を調べることができ生態系を脅かす恐れのある外来種の発見にもつながります。

これまで国や県、専門家などが現地調査を実施してきましたが電波が届きづらい山間部は通信が不安定なため写真を撮って持ち帰るなどアナログな方法で行われていました。

では今回の調査でどうしてバイオームを使うことができたのでしょうか?

インターネット通信を支えていたのは最新の衛星通信サービス「スターリンク」。

離島や山間部など通信環境の整備が困難な地域でも大容量かつ高速なインターネット接続を可能にします。

もちろん今回の調査エリアも通信圏外でしたがこの日、林道にはWiFiのルーターが、空が開けている位置にはスターリンクのアンテナが設置され、圏外だったスマートフォンもインターネットに繋がりました。

これによりバイオームのアプリを使って生き物を調べることができたのです。

県内でのスターリンクビジネスを開始した沖縄セルラー電話は、今後も最新技術を活用しよりスムーズで高精度な調査と生物多様性の保護に貢献したいとしています。

沖縄セルラー電話菅隆志社長「沖縄は生物多様性ということでは日本の中でもホットスポットで、沖縄にある企業として、生物多様性、自然環境をいかに後世に伝えていくか、我々がやっていかなければならない責務。」

持ち運びが容易なコンパクトなアンテナとWiFiルーターでいつでもどこでもインターネット通信を可能にするスターリンク。

生物調査はもちろんのこと災害などの非常時に通信が遮断されたときにも活用することが期待されています。

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