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HY「366日」が月9ドラマに…「16年という年月を経て“大きな歌”になってきた」

世代を越えて愛されているHYの代表曲「366日」がドラマになる。4月8日スタートの“月9”は広瀬アリスさんを主演に迎え、胸がちぎれるような思いを歌った「366日」の世界観に着想を得たオリジナルラブストーリーになる。リリースから16年という時を経て、モチーフという形でドラマ化された楽曲「366日」について、そしてドラマに合わせて新たにレコーディングされた<Official Duet ver.>について、メンバーに話を聞いた。

目次

「16年経っても愛され続けて歌われているのは凄くありがたい」

—「366日」をモチーフにドラマが制作されると聞いた時は、どう受け止めましたか?

月9ドラマ366日 HY 仲宗根泉

仲宗根(Key&Vo):16年前に既に『赤い糸』っていうドラマで起用されてたこともあったので「えっ?」みたいな。最初聞いた時にはあんまり意味が分かってなくて、また別のドラマで主題歌になるのかな、っていう感覚だったんです。でも後に話を聞いたら、「366日」モチーフでドラマを作ると。嬉しいを飛び越えて驚きの方が大きいという感じですね。もちろん全然嬉しいんですけど、嬉しさは後からついてきたような感覚で。16年経っても皆さんに愛され続けて歌われてるのは、あらためて凄くありがたいなとも感じました。

—HYにとって「366日」はどんな曲なんでしょうか。

仲宗根:実は最近はライブでもほぼほぼ歌ってなくて。バラードをライブで歌うことについては、歌う側の中でも色んな考えもあったりして、でもここぞという時には歌うような感じですかね。でも、この16年間たくさん歌ってきたかと言われたら、最近はほとんど歌わずだったので。私は作ってる側だから、たぶん他のメンバーとはちょっとまた違った感じ方をしてるのかもしれない。そこに対して他のメンバーと話したことがないから分からないんですけど。どうなんでしょうか?(笑)

月9ドラマ366日 HY 新里英之

新里(Vo&Gt):昔と今ではやっぱり自分の気持ちも変わってきてて。例えばフェスだったら代表曲はやった方がいいかなって思ってました。自分の大好きなアーティストが大好きな代表曲をやらなかったら「歌わないんかーい」ってなってしまうから(笑)。でも今の話を聞いて、ちょっと僕も変わってきたんですけど。ミスチルだったら何歌っても最高、スピッツだったら何歌っても最高、イエモンだったら何歌っても最高、っていう感じになったんだなったんだよね、…たった今。

一同:今!?(笑)

「ひーでの声が入ったことで、凄く楽になった」

—「366日」はもうJ-POPの名バラードで定番曲と言ってもいいと思います。YouTubeではオリジナルのMVが3000万回以上回ってますし、『FIRST TAKE』のバージョンも1300万回ぐらい回ってて。聞き比べてみたんですけど、説得力の強度とか深みが増してるように感じました。

仲宗根:歌い方もだいぶ変わってますからね。

—今回はどんな形になったのでしょうか?

月9ドラマ 366日 HY仲宗根泉

仲宗根:今までは、例えば男性が歌う時って私のメロディーのキーを落として、そこに私がハモるという形では2回ほどやったんです。川崎鷹也さんと清水翔太さんがやってくれて。でも私のメインのメロディーに男性の声が入ってくるのは無かったんですよ。それを今回ひーでにやってもらいました。

新里:ドラマをきっかけに、デュエットバージョンのちょっと新しい「366日」を皆に届けられたらいいなって。歌詞の意味と深さ、歌い方の難しさを知って、僕もこの曲に参加できてめっちゃ嬉しかった。16年という長い間、たくさんの人にずっと歌い続けてもらえていたということは、この歌は木の根っこみたいにしっかりとみんなに届いて根付いている。でも今回はドラマとともに、違うアプローチで僕の声が入ってるという見せ方っていうのも、なんか…いいっすね(笑)。元々こうだったんじゃないかなって感じるくらい馴染んでる気がします。

月9ドラマ 366日 HY 仲宗根泉

仲宗根:嘘だろって思うかもしれないけど、私目立つのは好きじゃないんですよ。私ばっかり見ないで、ってなるんですよ。歌ってはあげたいんだけど、目立ちたくないっていう葛藤が実はあって。でも、そこにひーでが入ってくることによって、めちゃくちゃ楽になりました。
バラードを歌う時って、とっても自分を追い詰めるんですけど、それが無くなって、「AM11:00」とかを歌うような感じになったんです。お互いの見せ場があって、男女の掛け合いがあって。それはこれまで一緒にやってきたカバーの時とは違って、私のキーに合わせるから、ひーでの声は結構力強くガンガン出してくるんすよ。ハモってるんだけど、洋楽ロックで男女がやりあうパワフルさみたいなものを感じて、これはこれでしっかり成立したなと。

レコーディングで実際ひーでの声で歌って、ひーでの高音がバチコーンて出た時にめっちゃ気持ち良いなって感じたんです。お互いこれまでずっとやってきたから合わせられる部分もあるし、ハモりも独特で結構難しいラインなんだけどしっかりはまった時、今までにない感じがあって。今まで1人で頑張ってたものを2人で分けることで、こんなに心地良く合わさった音になるんだなっていうことを知れて、凄い良かったですね。

悲しみを前にして変わった歌の意味

—歌詞については、今歌った時に当時と違う感覚はありますか?

新里:昔は恋愛に限定したものだと思っていたけど、今は被災された方とか、大切な人たちを思うもの、という感じの変化はあるよね。

月9ドラマ 366日 仲宗根泉 新里英之

仲宗根:そうそう。3.11に関連して福島で歌う機会があって、その時に「366日」をやろうと思ったんです。歌う直前のMCではいつものように明るくいこうかなと思ってたんだけど、でも震災からすごく日が経っていたタイミングでもなくて。どんなMCしようかと迷って、逆に何も考えないでこの雰囲気に任せようと思ったら突然、目の前にいる人たちは被災された方々がほとんどなので、悲しみが大きく入ってきたんですよね。そこで恋愛の歌を歌うのは違うよな、まずはこの人たちの心の悲しみを癒したいなという気持ちにブワって変わって。その時に下りてきたのは、「恐いくらい覚えているの」っていうフレーズは、恋愛だけじゃなくて、亡き人を思う感情に当てても聞くことができるなって思って。
そこでMCを変えました。今までは恋愛の曲として歌ってきましたが、今日皆さんを前にして歌おうとした時に、亡くなった方、行方知れずになった方もたくさんいると思うんですけど、その人たちのことを思って聞いたとしても「366日」という歌の解釈としては合っていると思う。だから、今日からそんな風に聞いてみてくださいっていう話をして、そこから自分の解釈もどんどん変わってきたんですよね。だから今歌う時も、恋愛のことで歌うっていうよりも、私も自分に近しい亡くなった方を思いながら歌うようにになってきました。
16年という長い月日の中で、恋愛だけではない出会いと別れという意味で“大きな歌”になってきたなっていう感覚はありますね。

—『FIRST TAKE』のバージョンの深みある歌唱に今の話も合わせると、もう賛美歌に近いような気がしますね。

仲宗根:私は1人で歌う時は、目の前にいる人たちの悲しみとか傷をいかに自分が癒してあげられるか、その人の痛みをいかに自分の中に入れて想像して歌うことができるかっていうことを常に考えて歌うようにしてるので。そうやって賛美歌って言ってもらえたら、まさしくそれをしたかったから、嬉しいなと思います。

—リズム隊としてはもうとにかく楽曲に寄り添うアプローチですよね。

月9ドラマ 366日 HY 名嘉俊

名嘉(Dr):HYのドラムは基本的に歌を邪魔しない叩き方をしてるので。バラードだと強弱をつけるとかももちろんあるんですけど、シンプルであればあるほど難しくて、信介とも相変わらず、改めて「難しいよな」って毎回話しますね。

月9ドラマ 366日 HY 許田信介

許田(Ba):聞いてても弾いても凄く気持ち良い曲なので、あまり気持ち良くなり過ぎないように気をつけてます。気持ち良く流れていって間違えたら大変なことになるじゃないですか(笑)。

—最後に主演の広瀬アリスさんの印象についてお聞きしたいです。

月9ドラマ 366日 名嘉俊

名嘉:めちゃくちゃ綺麗な方ですからね。僕はXもチェックしてて、発表の時に「緊張してるけど頑張ります」っていうコメントしくれてて、嬉しかったですね。早く会いたいです。個人的に(笑)。

月9ドラマ 366日 仲宗根泉

仲宗根:そもそも会えるかも分からんからね(笑)。トップの女優さんで、姉妹で活発なイメージがあるじゃないですか。そこまで女優女優って感じでもなく、ちょっと気さくに喋れたりとかもするのかなとか思ってます。まあ、会ったことないから分からないですけど(笑)。でももし会えなかったとしても、こんなにビッグネームの方が「366日」を表現してくれるっていうことに対しては、オファーを受けてくれてありがたいという気持ちだし、彼女が体現するドラマだから絶対素晴らしいものにはなるだろうなっていう期待はめちゃくちゃありますね。

366日

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