公開日

認知症当事者の“道迷い” ICTで見守る

5人に1人。これは超高齢社会が進む日本で、2025年には65歳以上の高齢者の実に20%が認知症になるという国の推計です。

認知症が原因で行方不明になるケースも全国で増加する中、宜野湾市では認知症の当事者をICTを活用して見守る取り組みが進められています。

県警のまとめによりますと、県内では去年1年間に認知症やその疑いが原因で行方が分からなくなった人は90人に上ります。

家族や関係者が探してそのほとんどは発見に至ったということですが、これまでには死亡が確認されたケースや長年行方知れずのままとなっている人も少なくありません。

高齢者の5人に1人が認知症となる時代。どのように防げばいいのか避けては通れない深刻な課題に宜野湾市が動き出しています。

佐久本浩志アナウンサー
「認知症のため行方が分からなくなってしまう高齢者。近くを通ったことを知らせてくれるシステムが導入されたのが街のいたる所にある自動販売機です」

宜野湾市役所にある自動販売機に取り付けられているのは認知症で道に迷った人を探すシステム「ミマモライド」のセンサーです。

専用のタグが15メートル以内に近づくとスマートフォンを通じて利用者の家族に通知され、道がわからずに帰宅できず地域を歩き回ってしまった場合でも早期発見と保護につながることが期待されます。

今回、宜野湾市の事業に協力したのは沖縄コカ・コーラボトリングで市内にある21台の自動販売機にミマモライドを取り付けました。

沖縄コカ・コーラボトリング・鮎澤和夫執行役員
「沖縄コカ・コーラボトリングとして、今後見守り自販機を拡大・推進していくことに全面的に協力させていただく」

専用のタグは財布に入れられる薄型や、靴底につけられるものもあります。

これに反応するセンサーの付いた自動販売機が増えるほど認知症の人を見守れる範囲が広がります。

みらいファンドおきなわ・平良斗星さん
「この自販機があることで認知症の方々が外出しやすく、うっかり道に迷っても探しやすくなる。そういう機能を持った自販機だということをみなさんに周知したい」

ミマモライドは自動販売機を始め市の公用車や公共施設などこれまでに72か所に設置されました。

事業では最終的に市内250か所にセンサーを設置し、官民が協力して認知症の当事者やその家族などが安心して生活を送ることができる地域を目指します。

あわせて読みたい記事 ヤンバルクイナ

HY 366日が月9ドラマに…

あなたへおすすめ! クマノミ 小 クマノミ 大きい