米軍パラシュート降下訓練 あえて嘉手納で実施したのはなぜ?
パラシュート降下訓練は例外を除いて伊江島補助飛行場で実施されることになっていますが、アメリカ軍は伊江島の滑走路の整備状況が悪いことを理由に先月と今月の2度にわたり「例外」として嘉手納基地で実施しました。
25日に伊江島で実施したことが明らかになり、嘉手納基地周辺の地元自治体からは「矛盾している」と疑問の声が上がっています。
例外を除いて伊江島補助飛行場で実施することで日米が合意しているパラシュート降下訓練。
アメリカ軍は先月19日と今月19日嘉手納基地で実施しました。
民間地にほど近い嘉手納基地で訓練を行うことで、万が一着地点を外れて民間地に降下すれば重大な事故に繋がりかねず、県や周辺の自治体は反発しました。
嘉手納町議会の抗議決議(26日)
「周辺住民の平穏な暮らしを脅かすものであり断じて容認できず、強い憤りを禁じ得ない」
アメリカ軍が嘉手納基地で訓練を実施した理由にあげたのは「伊江島補助飛行場の滑走路の整備状況」でした。
アメリカ軍はこれが「例外にあたる」という見解を示し、防衛局も職員が直接確認したところ滑走路の使用は困難だと説明しました。
沖縄防衛局・伊藤晋哉局長(25日)
「滑走路面の修復作業を行わない限り、MC130などの大型輸送機の安全な離着陸が困難な状態にあると認識している」
外務省沖縄事務所・宮川学特命全権大使
「修復工事が完了するまで例外的な場合として認め続けるのかということについて、これから米軍に対して話をしていく」
こうした中、伊江島補助飛行場で25日に訓練が行われたことに嘉手納基地周辺の自治体からは疑問の声があがりました。
桑江朝千夫沖縄市長
「きのうの(伊江島補助飛行場での)訓練においても詳細はまだ掴めていない。米側から報告を受けていないという、我々もしっくりこないところがあったのは確かです。『矛盾があるのではないか』と。そういうことをお話しました」
當山宏嘉手納町長
「あえて嘉手納基地でその訓練をする理由があったのか、やはり疑問を持たざるを得ない」
木原大臣はアメリカ軍が伊江島で使用した機種など訓練の詳細を照会していると説明しました。
木原防衛相(26日)
「伊江島補助飛行場の滑走路で離着陸したか否かも含めて、現在米側に対し事実関係を確認している」
伊江島で兵士が基地の外に落下した事故は改めてパラシュート降下訓練がはらむ危険性を浮き彫りにし、嘉手納基地での訓練が常態化しないか懸念が強まっています。
あわせて読みたい記事