番組審議会
第535回番組審議会『報告』
沖縄テレビ放送の第535回番組審議会を6月13日(火)に開催しました。
今回の番組審議は「ドキュメント九州 首里劇場~沖縄に残る奇跡の映画館~」で委員からは次のような意見が寄せられました。
※ドキュメンタリー番組の質を上げるためには、主人公を1人に決めるのがいいのと個人的には思う。今回、金城館長の追悼番組なのか、平良さんの取り組みなのか、どちらかの人生に振り切ったほうが趣旨としては面白く、情報を絞れたのではないかと感じた。
※ドキュメンタリーとは何かと考えたとき、過度に物語を作ってはいけないと思った。物語をいっぱい加えると色々な見方がなされる。今回の番組はあっさりとしていると思うが、それはそれでよかったという気がする。
※戦後間もなく、資材が少ない中でこのような場所を造り、娯楽の場を大切にするというのが沖縄の人なんだと、改めて、自らの島のアイデンティティーを確認することができた。
※有志の皆さんで、歴史ある首里劇場を守っていくというストーリーなのかなと想像したが、劇場の現状を見るとそれは厳しいと感じた。最後のスーパーで「2023年1月現在存続できるのか まだ決まっていない」で終わっており、今後も平良さんたちの活動を追いかけていくつもりなのか気になった。
※沖縄最古の映画館を残したいという想いを綴った番組ではあるが『人の心は何で動かされるのか?』を考えるきっかけになった。様々な理由で首里劇場を残したいという思いが伝わってきたが、一番はきっと多くの人を魅了する金城さんその個人の人柄に尽きると思った。
※戦後史を彩ってきた建物の保存についてはなかなか機運が高まらない。取り壊しが決まるかもしれないその時に、どんな社会のリアクションがあって、調査団がどういうリアクションをするのかということも含めて、継続して追いかけてほしいと思った。
※私の友人で劇場を何とか再建したいという人がいた。権利関係が複雑すぎて彼は諦めたが、そういうことは、放送できないだろうなと思った。どこまで描けるのか、どこまで本質を出していいのか、そういう事が非常に難しい番組だったと思う。
出席:宮城能彦委員長 松元剛副委員長 新城和博委員 宮里早香委員 我那覇奈緒委員
欠席:仲宗根斉委員(レポート) 稲嶺佳乃委員(レポート)