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番組審議会

第514回番組審議会『報告』

沖縄テレビ放送の第514回番組審議会が、令和3年5月11日(火)に開催されました。審議には6名の委員が出席し、1名からレポート提出がありました。

議題は今年2月27日に放送された「沖縄偉人ドラマシリーズ いざ行かん 五大州 〜沖縄移民の父 當山久三」です。

委員から次のような意見が寄せられました。

※ 不平等を訴える久三のやるせなさだったり、悔しさだったり、もどかしさだったりという感情の入り乱れた心の状態をドラマで見せている。一視聴者として感じることができてよかった。

※ 娯楽という要素と、歴史をたどっていくという教養の要素を、バランスよく描き出そうとしたという苦労は分かるが、中途半端な部分があったのではないか。兄弟がおにぎりを奪い合う貧困を描く場面、久三の想いを投影する場面のいずれも背景がきれいな海。きれいな海が節目の場面で使われた為、歴史をたどる色合いが薄れてしまったのではないか。

※ もっとドラマ仕立ての番組とイメージしていたので、見始めて「あれ?」と思ったのが正直なところだった。沖縄テレビだからこそなり得るテレビドラマの在り方、制作というものに挑戦してもらえたらなら、と期待を持った番組だった。

※ コミカルな演技があり、つらい時代の重苦しい再現ドラマにはならず、楽しく見る事ができた。子どもでもとっつきやすく、歴史初心者でも沖縄偉人の行ってきた事の大まかな事を理解できるのではないかと感じた。

※ 親しみを持たせるためにお笑いの要素を取り入れた意欲は評価したいが、ほとんど笑えなかった。東京なのに窓の外がヤシだったりして、これもギャグとしてやっているのか、あえてやったのかというところで悩んでしまった。

※ ドラマについては演出が漫画チックな部分と、當山久三のキャラクター設定が軽すぎるように感じた。ドラマの前半部分を短くしてでも、當山久三が移民思想を持つに至った意味や時代背景をもっと丁寧に描いたほうがよかった。

※ 明治30年代の貧しい沖縄にしては美しく整いすぎて、違和感を覚えた。そこはドラマだからよしなのか、どうかというのは分からない。視聴者にとって自分なりの捉え方がこの番組を見た場合はあるんじゃないかなと思う。

< 審議委員 >
出席: 山内彰委員長・宮城能彦副委員長・嘉数道彦委員・仲宗根斉委員・稲嶺佳乃委員・松元剛委員 
欠席: 山川厚子委員(レポート参加)

 

 

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