くらしと経済 〜2019年放送

12月13日 海の資源を増やし、育てる。水産技術の新展開

小林

こんにちは。小林美沙希です。
近年、日本人の魚離れが叫ばれていますが、世界では1人あたりの水産物消費量が増えているようです。
今日は水産資源をめぐる最新事情について野村証券那覇支店支店長の北田敦司さんに伺います。宜しくお願いします。

北田

宜しくお願いします。
小林さんがおっしゃるように日本の魚介類の一人当たりの年間消費量がピーク時より減っているんですが、その反面、世界では急激に増えていて、特に中国では消費量が過去半世紀でおよそ8倍、インドネシアで約3倍になるなど新興国を中心に伸びが目立っています。

小林

世界に目を向けると今魚介類をどんどん供給しなければならない状況なんですね。

北田

はい。仰る通りです。2017年の世界の漁業・養殖生産量は、前年より3%増加し2億559万トンとなりました。内訳を見てみると、漁船による漁業生産量は横ばいなのに対して、養殖の生産量は急激に伸びています。

小林

旺盛な消費を、養殖で賄っている状態なのですね。

北田

そうなんです。有限な水産資源を守るためにも、今後養殖漁業の重要性がますます高まると考えられます。日本では、大阪府にある大学と、京都の国立大学が共同で、通常より筋肉量を2割増やした大きなマダイの量産化を計画しています。

小林

どのような技術を使っているのでしょうか。

北田

「ゲノム編集」という、遺伝子の働き方を変える最新技術を使っています。この関西の2つの大学の研究では、マダイの卵のなかにある、食欲を抑える遺伝子の働きを止めることで、通常のマダイより4倍早いおよそ半年で成熟し、産卵させることができるようになりました。また、筋肉量が2割アップし、食べられる部分が従来より増えることで、より魅力的な水産資源になります。養殖や流通に関する国のルールが固まれば、2020年度中にも食卓にのぼる可能性があるということです。

小林

そうなんですね!成功すれば効率の良い養殖漁業ができますね。

北田

さらに、この他にも「ティラピア」という魚の持続可能な養殖ネットワークを作り、地方の若者の雇用を創出するビジネスプランを作成。
ナイジェリアからアフリカ各地域に広げるというアイデアも日本の大学から発表されています。

小林

成長の早い個体を生み出し、生産性を向上させるだけではないのですね。

北田

そうなんです。
人口成長率が高いナイジェリアでは2050年に世界第4位の人口大国になると予想されていますが、失業や食糧難などの社会問題を抱えています。
先ほどのプロジェクトは地域の若者たちに仕事を提供し食糧難も解決するという意欲的な内容になっています。

小林

新たな視点で今後も新たな水産技術が生み出される事に期待したいと思います。

ここでセミナーのお知らせです。

北田

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続いては、12月13日金曜日「人生100年時代を生き抜くための準備セミナー」〜60歳以上の方のための資産健康術〜
野村アセットマネジメント株式会社より講師をお招きしてお送りします。

皆さま奮ってご応募ください。

小林

北田さんありがとうございました。

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