くらしと経済 〜2020年放送

5月8日 植物由来で、地球に優しい合成繊維

小林

こんにちは。小林美沙希です。
綿やポリエステルなど衣料品をはじめ何かと私たちの身近にある「繊維」。
地球環境への関心の高まりから、様々な研究が進められているようです。
その最新事情について野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。
宜しくお願いします。

宮里

宜しくお願いします。

小林

この番組でも以前にご紹介しましたが「繊維」は今身に着けている洋服から自動車や航空機の部品まで幅広く使われていますよね。

宮里

種類によってサイズは様々ですが、一本一本が私達の社会を支えています。
繊維は、大きく分けると2種類あり、1つは天然資源を元に作られる「天然繊維」。もう1つが化学的な合成や加工によって作られる「化学繊維」です。
化学繊維の中でも、石油・石炭・水などを原料に成型したポリエステルやナイロンなどの繊維を「合成繊維」と呼びます。

小林

なるほど。その中でも今は環境に配慮した新たな合成繊維が注目されているんですね。

宮里

そうなんです。国内のある化学品メーカーが合成繊維のポリエステルを世界で初めて100%植物由来の原料で製造することに成功しました。ポリエステルは、世界の化学繊維生産量の8割を占めていて、その大半が石油から作られています。
それが植物に変われば、地球温暖化の原因となっている炭素の排出を防ぐ事ができます。

小林

石油を使わず、100%植物由来というのは、どのような原料が使われているのでしょうか

宮里

実は沖縄に暮らす人にとって身近なサトウキビが原料に使用されています。
一般的にポリエステルは「テレフタル酸」と「エチレングリコール」という物質を7:3の割合で使って製造されます。
これまで成分の7割を占める「テレフタル酸」は植物利用が進んでいませんでしたが、新たな技術でサトウキビを原料として活用する環境が整いました。

小林

100%植物由来のポリエステルの誕生で環境面にも大きな影響がありそうですね。

宮里

そうですね。
植物は、光合成の際に二酸化炭素を吸収して成長する為、植物由来のポリエステルを焼却して出た二酸化炭素はもともと原料の植物が吸収したものと捉える事ができます。
一方、石油は二酸化炭素を吸収せず、焼却したら大気中に排出だけです。
植物を原料とする素材を使うことで、こうしたリスクを低減して、持続可能な社会の実現に貢献できるのです。

小林

地球温暖化を食い止めるためにも、植物由来の合成繊維の研究は今後ますます重要になりますね。

宮里

そのとおりです。
こうした動きは素材メーカーだけではなくアパレル業界でも広がっていて、世界的に展開するファストファッション企業では、
2030年までに全ての素材を、リサイクル品か、持続可能なものに切り替えると発表しています。

小林

地球に優しい製品への方向転換は、もはや企業の責務という段階に来ているのかもしれませんね。

宮里

はい。短期的に見れば、開発費など、コストの上昇要因になりますが、環境への取り組みなどが不十分な企業は、投資家や消費者から選らばれない時代になっています。
そうした時代の流れが、企業による環境配慮型の製品開発を後押ししていると言えそうです。

小林

植物由来の原料を使った、地球に優しい衣料品がより一層広がっていくといいですね。
宮里さんありがとうございました。

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