くらしと経済 〜2020年放送

5月22日 スーパーも店内に導入。新段階を迎える植物工場

小林

こんにちは。小林美沙希です。
光や温度など野菜作りに必要な環境を人工的に制御する「植物工場」と呼ばれる施設が今さらなる進歩をとげているようです。
その最新事情について野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。
宜しくお願いします。

宮里

宜しくお願いします。

小林

「植物工場」とは、あまり聞きなれませんが、どのような工場なのでしょうか?

宮里

「植物工場」は年間を通じて計画的・安定的に野菜や花などを育てる生産システムで、大きく分けて2種類あります。
1つは倉庫などの閉鎖空間でLEDなどの人口の光を用いて栽培する「完全人工光型」。初期費用や光熱費はかかりますが、外部環境に左右されない強みがあります。
もう一つは、ガラス温室などで太陽光を利用する「太陽光利用型」です。
密閉ではないため、無農薬での栽培は難しくなりますが、初期費用や光熱費は抑えられます。

小林

どのくらい普及が進んでいるのでしょうか

宮里

2019年2月時点では、「完全人工型」が全国に202カ所、「太陽光利用型」が190カ所となっています。
こうした「植物工場」で育てられた野菜は今やコンビニや機内食、外食チェーンなどに広く浸透しています。

小林

いつのまにか普及して、私たちの生活に役立っているんですね。

宮里

そうですね。
「完全人工型」の場合、太陽光を使わない為場所を選ばず設置ができます。
例えば、東京のあるイタリアンレストランでは、店内で工場方式によってバジルなどを栽培し、料理に使っています。
また、埼玉のスーパーマーケットでは、店舗の空きスペースでグリーンリーフを栽培し、販売しています。
どちらも地産地消ならぬ「店産店消」の試みです。

小林

その場で作って販売されていると、私たちも文字通り採れたての野菜を手にできますね。

宮里

そうなんです。この分野はまさに新時代の到来ともいえる状況で、そのカギを握るのが、「スタートアップ企業」です。
先ほど紹介したスーパーマーケットの植物工場のシステムは、あるスタートアップ企業が東京の国立大学と共同開発したものです。
できるだけシンプルで、栽培に使う水の量を少なくすることを重視しており、栽培棚に入れる水の量はわずか1センチです。
大掛かりな工事も必要とせず、既存の施設にも設置しやすくなっています。

小林

なるほど。今後、街中で野菜を作るという試みが広がるかもしれませんね。

宮里

はい。こちらは完全人工型植物工場の国内の市場規模ですが、年々拡大している事がわかります。
背景には、近年異常気象で野菜の価格が乱高下する中で、スーパーやコンビニ、外食産業などに安定的に供給できる、植物工場産の需要が拡大していることがあげられます。
こうした状況をうけて2022年には市場規模がおよそ277億円に達するものと予測されています。

小林

植物工場がどう進化していくのかますます目が離せませんね。
宮里さんありがとうございました。

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