くらしと経済 〜2021年放送

1月8日 新型コロナウイルス感染拡大で見直される、「自販機」の役割

小林

こんにちは。小林美沙希です。
私たちが普段何気なく使っている「自動販売機」最近はコロナ禍でその役割が見直されているという事です。
今日はその最新事情について野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。
宜しくお願いします。

宮里

よろしくおねがいします。

小林

さて、宮里さん、いわゆる「自販機」ですが、飲み物やカップラーメンなどいろんな種類がありますよね。

宮里

そうですね。その歴史をたどってみますと、ルーツは紀元前の古代エジプトまで遡れるのだそうです。
こちらをごらんください。
現在のような自販機は1800年代後半に産業革命後のイギリスで実用化されました。
日本では1904年に切手とハガキの自販機が登場し、その後、1960年代にアメリカの大手飲料メーカーの自販機が設置された事をきっかけに本格的に普及しました。

小林

温かい飲み物と冷たい飲み物が一台で販売できるタイプは日本特有なんですね。

宮里

そうなんです。
その後も太陽光で蓄電した電力を夜間の照明に使うタイプが導入される等日本で独自の進化を遂げているといえます。
最近では災害などライフラインが寸断されてしまった際には人の操作で中の飲み物を取り出して提供することができる「災害救援自販機」も登場しました。

小林

今日本にはどれくらいの数の自販機があるんですか?

宮里

はい。鉄道の乗車券やアイスクリームなどの自販機も合わせると2019年12月現在の普及台数はおよそ415万台で、そのうち飲料系の自販機は6割をしめています。小さなスペースを活用できる利便性等から各社が競うように設置を進めてきましたが、コンビニエンスストアとの競争の激化などもあり、このところは普及台数や販売金額ともに減少傾向にあります。

小林

どこでも目にするので台数も売り上げも減っているのは意外な気がします。

宮里

そうかもしれません。
さらに去年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外出自粛や在宅勤務が普及したことによりオフィスや駅の自販機の販売減少が続きました。
こうした状況の中、今、自販機ビジネスは転機を迎えているといえ、各社とも感染拡大収束後を見据えながら様々な模索をしています。

小林

具体的にはどのような事を考えているのでしょうか?

宮里

まずは自販機ビジネスコストの見直しです。
業界シェア1位のA社では商品を補充するスタッフの配送ルートをゼロから見直す等して、コスト削減や生産性の向上に繋げる試みを始めています。
続いては自販機そのものの魅力アップです。B社では去年から客先に設置した自販機とスマートフォンアプリを組み合わせる取り組みをはじめました。
自販機で健康飲料がもらえるクーポンを配信するなど自販機を長く使ってもらう戦略です。

小林

感染対策に積極的な企業もあるんですね。

宮里

そうですね。
例えばある企業ではボタンに触る事への不安を払拭しようと、足元のボタンを踏むことで商品を選べる業界初の自販機の実証実験を開始しています。いわゆる「3密」を避けたいという需要が高まって今後も様々な展開が考えられるかもしれません。

小林

今日は新型コロナウイルスの感染拡大で見直される自動販売機の役割について伺いました。
本日は宮里さん、ありがとうございました。

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