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普天間 伊織

普天間 伊織

沖縄の街を舞台にミュージカルする OKINAWA MUSICAL

普天間伊織の沖縄カルチャー最前線

こんにちは!ライター兼演劇プロデューサーの普天間伊織です。

連載2回目はミュージカルのお話。
数年前からミュージカルの制作に携わっていますが、実はわたし、もともとミュージカルに苦手意識を持っていたタイプの人間でした。だって急に歌い出したり踊り出したりするからびっくりするさ……

沖縄の街を舞台にミュージカルする

それがなぜ自ら舞台をつくるまでになったかというと、はじめのうちはマネージャーとして育成している若いアーティストの卵たちのためでした。
歌、ダンスだけでなく、演技もできるようにならなければ芸能界で長く活動を続けられないという思いから、彼らのために脚本を書き企画書を書いて…… 勉強にかこつけて自分でも舞台を観に行くようになり、気づいたら2.5次元舞台にハマり、いまに至ります。

叔母がオペラ歌手としてイタリアで活動していたこともあって、オペラは何度か観たことがあったのですが、ミュージカルは完全なる食わず嫌い。
中学生の頃、「髪結いの亭主」という映画を観たことがありました。主人公のダンスするシーンが印象的なフランスの映画なのですが、当時はなぜ突然踊り出すのかわけがわからなくって。でも大人になって観返してみると、なんとなく理解できる気がするのです。

わたしと似たような食わず嫌いさんもいるかもしれないので、伝えておきます。一度は観てみて。
歌だからこそ伝えられる気持ち、ダンスに込められた思いがあるから、ミュージカルはすっごくおもしろい。ミュージカルじゃなきゃ成り立たない作品があるんです。

沖縄にはミュージカル俳優を目指す若者もたくさんいる

そして、あまり関心がなかったから気づかなかっただけで、沖縄県内にもミュージカル公演や劇団、事務所があって、ミュージカル俳優をめざす若者もたくさんいるんですよね。東京やブロードウェイで活動する県出身俳優もいらっしゃいます。

新参者のわたしは路上でパフォーマンスするストリートミュージカルをやったり、HIPHOPを中心とした作品をつくったりしております。
基本的な活動の場は沖縄市で、そこで「コザミュージカル」という団体も立ち上げています。
地域の住民と一緒に作品を完成させるというのがコンセプトで、古くなって使われなくなった空き家に廃材を持ち込んでステージをこしらえてもらったり、老舗呉服店に衣装をこしらえてもらったり、地元の飲食店にケータリングをこしらえてもらったりしています。
コザはもともとエンタメが根付いた街で、だからこそ攻めた企画にもノリノリで応えてくれるのかもしれません。

コロナ禍のなか、舞台活動もこれまでとは異なるスタイルを模索しなくてはなりません。ミュージカルの場合はどうしても大人数になるし、群舞も欠かせないし、マスクやフェイスシールドをしたままだとなかなか声や演技が伝わりにくいということもあります。

そんな状況でもみんなそれぞれに工夫を凝らし、とてつもなく頑張っています。わたしも先輩がたやキャスト、スタッフ、地域の方々が助けてくださるおかげでどうにか続けられています。

今年の秋にも新作公演を予定していて、これから稽古がスタートというところ。今作もどんなステージになるのか楽しみです。
キャストも随時募集しているので、気になる方は「コザミュージカル」で検索してみてください。

次回は「離島のエンタメ事情」についてです!
今年の夏こそ沖縄離島リゾートしたいなぁ……

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