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OTV報道部

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コロナ禍のテレビCM “体育着登校”を忘れるな! 沖縄屈指のCMディレクターが込めた想いとは

子どもたちが体育着登校を忘れないために制作された、あるテレビコマーシャルが話題を集めている。
なぜ体育着登校に注目したのか? そこには、制作者の想いが秘められていた。

Q. 体育着登校を忘れたことはありますか?

小学5年生
「あります」
「うん。ヤバい どうするってなる。めっちゃプレッシャーになる」

Q. 体育着を忘れない方法はありますか?

小学5年生
「♪体育着登校 体育着登校 体育着登校忘れるな♪」

小学5年生
「(この曲を思い出すと)体育着が頭から離れられなくなる。体育着になる」

高校生
「歌えるよね 歌ってみ」

高校生
「体育着登校が習慣化されそうです」

高校生
「朝に(テレビで)流れていると思い出しました」

その体育着登校のコマーシャルとは…

麦飯石の水『体育着登校の歌』

この体育着登校を忘れないよう呼びかけるテレビコマーシャルは、SNSにも数多く投稿されるなど注目されている。

制作したのは、これまで300本以上のコマーシャルを手掛け、国内外で多くの賞を受賞している県内屈指のコマーシャルディレクター 福永周平さん。

なぜ、体育着登校のコマーシャルが生まれたのでしょうか。

CMディレクター 福永周平さん
「何で体育着登校ってよく言われるんですけど。商品の話はいいから、とにかく子どもたちが楽しんでもらえるCMを作ってくださいというのがオーダーだったんです」

「コロナっていうタイミングだったので体育着登校が実際増えたんですよね。自分の息子が今日、体育着登校だったかなとか朝不安になるのとか嫌じゃないですか、何かこれの役に立てる歌にしたらいいかもって」

「子どもの時に、ぼくもこういう踊りをやっていて、手をこうクロスするのが昔からあって。これをやりたいなと思ったんです」

このコマーシャルに出演している驚く男の子と、不思議な踊りの男の子。実はこのふたり…

CMディレクター 福永周平さん
「このびっくりしているのがお兄ちゃんで意外と気づかれてないですけど、こっちが弟で。
踊りが最初踊れてなくて、でもその踊れてなかった姿がかわいいからラストカットに持っていきたいと思っていたんですね。
そうしたら彼が突然これを踊り出したんです。えっ!何これって?言ったらずっとやっているんです。それが凄い可愛いからこれにしようって。奇跡のダンス」

このコマーシャルのイメージキャラクターで全国でも活躍するきらりちゃんに話を聞いた。

きらりちゃん
「村山輝星です。みんなが体操着を忘れなくなったら先生もハッピー生徒もハッピーで。あの踊り凄いかわいいと思いました。ああいうのよくやるので気持ちが分かります。やっちまったー けど、もうしょうがないみたいな気持ちです」

シリーズの最新作で福永さんが表現したかったこととは

「ドゥー」 (沖縄語)。標準語で「冗談」の意味。

きらりちゃん
「ドゥ~!沖縄の人たちの明るい雰囲気に合っているから何度も使いたくなっちゃいます」

CMディレクター 福永周平さん
「きらりちゃんの『ドゥー』の発音が英語風でDoっていう感じなんです。

いやいや きらりちゃん 英語のDoじゃなくて『ドゥー』です。

このCMが流れたあとに親子でそういう会話が出てきたりするなって。CMだけじゃ終わらないっていうところが凄く重要で、それがコミュニケーションのきっかけになるじゃないですか」

ディレクターとしてだけではなく、若手の育成も力を入れる

那覇市 沖縄ラフ&ピース専門学校 福永さんはここで4年前から映像の演出を学生たちに教えている。

学生
「めっちゃ楽しいです。先生の世界観が凄い先生だって印象です」

CMディレクター 福永周平さん
「ぼくが楽しくやりたいっていうのが大前提で。CMの撮影の現場もそうですけど、やっぱりみんなが楽しいなって思ってもらえるような、そんな現場を作るのがぼくの役割だと思っています」

福永さんが楽しさを追求する理由

CMディレクター 福永周平さん
「小学校のころに、うちの母親が仕事を終えて帰って来るんですけど、母親が帰ってくる前に家を掃除したんですよ。キレイに掃除した後、押し入れに隠れていたんですよ。
母が鍵開けて入ってきて開口一番『おうちがキレイになっている!』『ぼくがやったんだよ』って言ったら『嬉しい!ありがとうキレイにしてくて』って。
人が喜んでくれるってこんなに自分が嬉しいんだなって気付いてそれが一番根っこにあるんじゃないかなって思って」

新型コロナの影響で体育着登校が始まり、家でテレビを観る機会が増えた今だからこそ、福永さんは15秒のコマーシャルに思いを込める。

CMディレクター 福永周平さん
「CMっていうのは、観てくれる人を応援したり、笑顔になったり、元気になったり、明るくなったり、前向きになったりしてほしいと思います。そんなCMが作り続けられたらいいなと思っています」

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