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稲嶺 羊輔

稲嶺 羊輔

沖縄のミライモンスターを発見! ジュニアゴルファーの登竜門カヌチャカップ【稲嶺羊輔の いつも笑顔で!】

稲嶺羊輔アナウンサー(OTV 沖縄テレビ)のいつも笑顔で!

沖縄本島北部の名護市にあるカヌチャゴルフコースを舞台に、毎年白熱した戦いが繰り広げられるジュニアゴルフカヌチャカップ。

ツアー通算4勝(コラム執筆時点)をあげ全英オープン出場を果たした比嘉一貴選手や
新垣比菜選手、比嘉真美子選手などもかつてこの大会で腕を磨きプロの世界へと羽ばたいていきました。

ジュニア時代、カヌチャカップで腕を磨いた比嘉一貴選手(当時中学3年)

沖縄テレビに入社してから毎年取材と実況を担当していますが、今年も将来が楽しみなミライモンスターを発見したのでご紹介します。

2日競技となる中学男子の部ではタイプの異なる2人の選手が優勝争いを演じました。

初日2アンダーで単独トップに立ったのは、普天間中2年の東恩納昊貴(こうき)選手です。

普天間中2年 東恩納昊貴選手

東恩納選手は今年の全国中学校選手権で全国制覇を成し遂げた逸材で、持ち味はキレのあるアイアンショット。ピンをデッドに狙える精度の高さを活かし、2日目には1イーグル4バーディをあげます。

ピンをデッドに狙う東恩納選手

試合後に話を聞いたところ、体幹トレーニングを始めたことでスイングのバランスが良くなりショットが安定。その結果パーオン率が上がりバーディ数の増加に繋がったそうです。

この日は出入りの激しいゴルフでスコアとしては3オーバーとなりましたが、上手く噛み合えば他を圧倒するビッグスコアを生み出す力を秘めている選手だと感じました。

東恩納選手は初日70(2アンダー)、2日目75(3オーバー)のトータル1オーバーでカヌチャカップ初優勝。

優勝インタビューは少し緊張したようすでしたが、将来の夢を聞くと「松山英樹選手のように世界で活躍できる選手、そしてみんなから応援されるような選手になりたいです」と力強く語ってくれたのが印象的でした。

将来の夢を力強く語る東恩納選手

そんな東恩納選手に独走を許さず最後まで食らいついていったのが美里中2年の呉屋陽星選手。

美里中2年 呉屋陽星選手

身長146センチとまだ小柄な選手でドライバーの飛距離は210~220ヤードほど。
ホールによっては東恩納選手に50ヤード以上置いていかれる場面もありました。

それでも類まれなアプローチの技術でグリーンの外から確実に寄せていきます。

絶妙なアプローチを見せる呉屋選手

この日はバーディこそありませんが、18ホール中17ホールでパーをセーブ。
1オーバーの73でホールアウトし2日間トータルで東恩納選手に2打差まで迫りました。

今大会では中学男子も高校生と同じバックティーを使用しているため各ホールの距離が長く、呉屋選手は本来2打で乗せるべきパー4でも2打で届かないホールがいくつかあったそうです。

そんな中で2日間しっかりとスコアを作っていけるのは、卓越した小技のスキルがあるからだと感じました。

グリーンへと向かう呉屋選手

呉屋選手が今後得意のアプローチに更に磨きをかけて成長とともに飛距離が伸びてくれば、全国にその名を轟かせる存在になりそうです。今後が非常に楽しみな選手です。

プレー終了後、東恩納選手と呉屋選手が互いの健闘を称え握手するシーンに胸が熱くなりました。こういったフェアプレーの精神を学ぶことが出来るのもカヌチャカップの大きな意義の一つです。

最後にご紹介するのは、中高女子の部で圧巻の強さを見せた宜野座高2年の小潮川せり選手。

ティーショットを放つ小潮川せり選手(宜野座高2年)

ドライバーからパターまで全てのプレーの質が非常に髙いのが特徴です。

ただそれとは別にプレーを見ていて非常に印象的だったのが、残りの距離を把握するための「歩測」を徹底していること。

歩測とは、1歩1ヤード(91.44センチ)の歩幅の感覚を身体に染み込ませてプレー中に残りの距離を把握するための手段です。

残りの距離を歩測する小潮川選手

ゴルフ場には「グリーンまで100ヤード」など基準となる目印があり、その目印とボールとの間を歩測することで残りの距離を把握し、これに風や高低差の影響を加味してボールを打っていきます。

残りの距離をレーザーなどで計測する距離計の使用がプロの試合でも解禁されましたが、今でも歩測の重要性は変わっておらず、プロは距離計だけに頼らずに自らの身体で収集したデータをプレーに活かしています。

2022年のダイキンオーキッド本戦にアマチュア代表として出場し、プロの世界を間近で体感した小潮川選手。次なるステップでの戦いを見据え、ゴルフに対して高い意識で臨んでいることが歩測からもうかがえました。

小潮川選手は2日間で5アンダーという他を寄せ付けないゴルフで沖縄の頂点に立ちました。

小潮川せり選手
「来年プロテストに挑戦するので、そこで1発合格できるようにこの1年間頑張っていきたいです」。

プロテストは合格率3%とも言われる狭き門ですが、目標の1発合格を目指して頑張ってほしいです。

今回ご紹介した3人以外にも多くの才能が躍動した今年のジュニアゴルフカヌチャカップ。

大会の詳しい模様は9月24日(土)午後4時5分~放送です。
ぜひご覧ください!

各部門の優勝者(左から)

小学生低学年の部  島尻一慧(かずさ)選手
小学生高学年の部  チョウジュンラン選手
中学男子の部    東恩納昊貴(こうき)選手
中学・高校女子の部 小潮川せり選手
高校男子の部    照喜名朝昇(あさひ)選手

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