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普天間 伊織

普天間 伊織

「変」と「普通」のHAZAMAで

沖縄もだいぶ寒くなってきました。寒暖差アレルギー疑いありの体が、気温に振り回されております。

突然ですが、このコラムは今回が最終回です!
長いような短いような連載期間。読んでくれたみなさん、ありがとうございました!

さて、最後ということで、前回の予告とは違いますがちょっと自分のことを話してみたいと思います。

わたしの仕事はライターをメインに、舞台のプロデュースやキャスティングなどいろいろですが、とくに力を入れてきたのが若者のサポートです。
今年1年の締めくくり的なエンタメ活動は歌、演技、ダンスの総合ワークショップ。8歳から24歳の若い世代を対象に、いつもお世話になっている先生たちの協力を得て特訓をしています。

沖縄で歌、演技、ダンスの総合ワークショップを行っています

不定期に実施しているワークショップには毎回個性豊かなひとたちが参加してくれて、見ているこっちも楽しくなります。今回は初心者向けのプログラムで、ほぼみんな未経験者だけど、このなかからプロをめざすひと、ステージに上がるひとが出たらいいな。

わたしもダンスが楽しくなってきました。やっぱり好きな音楽で踊れるのは最高です。人前で披露するつもりは全くないけれど。

ワークショップや舞台制作をしていてよく聞かれるのが「自分でやろうとは思わないの?」です。これはもう本当にしょっちゅう中のしょっちゅうという質問なのですが、ほんっとに一回もないです。

バンドをやっていたことはあったけど、一度もステージに上がらず、スタジオで練習していただけ(笑) 歌もダンスも好きだけど、カラオケやクラブでもかなりの量のお酒を飲んで泥酔しないと椅子から立ちません(笑)

理由はおそらく自意識の問題で、シンプルに「恥ずかしい」だと思っています。ヘタにプロの現場に顔を出しているからこそ、自分の技術がよくわかっているし、練習すればするほど限界を感じます。簡単にいうと、表舞台から逃げることで自分を守っているのです。

小説家になりたいとか脚本家になりたいとも、考えたことがありません。どちらもお金をもらって書いているから「プロ」と呼べるかもしれないけど、なんとなく口はばったいような、しっくりこない感じがします。

いつから自己肯定感低く生きているのだろう?

振り返ってみると、小中高校生の時代にあまりほめられた経験がありませんでした。というか、むしろ自分が好きなことやものが周囲から「変」といわれることが多くて、漠然と「わたしって変なのかな?」と思っていました。

なんだか息ぐるしさを感じてたこともあって、高校卒業後は東京の専門学校に進学。でも音楽系の学校だったこともあってか、そこは地元の学校で「変」とされている若者が全国から集まった「変」の巣窟みたいなところで。小さな田舎の学校で変人扱いされていたわたしは、すっかり凡人と化してしまったのです。

不思議なもので、そうなったらそうなったで「そうか、やっぱりわたしは普通だったのか」と理解して、安堵よりもむしろ落胆してしまったり。若者とは勝手なものですね。

「変」といわれても「普通」といわれてもピンとこない。
たぶんどっちも投げかける側はたいして意識していなくて、受け取る側の問題だと思うのです。特に若いうちはアイデンティティが確立されていないから、他者からの評価に揺さぶられがちですよね。

わたしの場合は、専門学校の先生の「とりあえず普通に名刺作って、普通に作文してみ」というアドバイスに従って、名刺に「ライター」と書いて持ち歩いていたら、いつの間にか20年経っていました。いまだに自分が「変」なのか「普通」なのか、そのどちらに傾いているのかわからなくなるときがあります。

コロナ禍に突入してしばらく厳しい状況が続いたこともあって、実のところ、もうエンタメの活動はすっぱりやめてしまおうかとも考えていました。

でも、ワークショップが始まってみんなが楽しそうにレッスンしているのを見ると、やっぱり続けようと思うのです。自分がステージに立たなくてもじゅーーーぶん楽しいし、ドキドキする。ある意味ではこれも才能かもしれません。

そして迷っているひとが始められるように、止まっているひとが動き出せるように、いろいろとサポートするのもわたしの仕事。そう思ってまだもうちょっと続けていこうと思います。

ということで、今回は少しだけ自分の話をしてしまいました。自意識過剰&自己肯定感低めのこじらせアラフォーとしては、せいいっぱい(笑)

OKITIVEでコラムを書かせてもらって、いろんな出会いもあり、発見もあり、とてもとても楽しかったです!
また会いましょう!

(40歳の誕生日にスプラッター映画を10時間見続けて体調を崩した)普天間伊織

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