コラム
キングス悲願のBリーグ初制覇へ! 桶谷HCに前半戦の手応えを聞いてみた【稲嶺羊輔の いつも笑顔で!】
2021-2022シーズン、プロバスケットボールBリーグ西地区5連覇を成し遂げ、リーグ制覇まであと一歩のところまで迫った琉球ゴールデンキングス。
今回のコラムでは、11月に行った桶谷HCへのインタビューの内容をまとめましたので、ぜひご覧下さい。
–Q シーズン序盤を戦って、ここまでの手応えは?
桶谷HC
「良い面と悪い面というか課題がしっかりと出てきたなと思います。去年からやっているメンバーと今シーズン入ったメンバーの波長がすごく合っているところは良い面です。
課題になるところはどうしても個が強いというか、1対1でアドバンテージを取れてしまう所があるので、そこでボールムーブメントが無くなっちゃって。個に頼ったオフェンスになってしまう所が課題になっているので課題克服のために練習をずっと続けています。」
–Q 新加入選手とは良い形でチームケミストリーを築けている?
桶谷HC
「松脇もダンカンもジェイも本当に良い感じでチームにフィットしていますし、ジェイに関してはなかなかプレータイムをあげられていないですけど練習の中では本当にチームのために献身的に働いてくれていますし、プレーできるチャンスがあれば試合に出したい。
新加入の中でも松脇、ダンカンは去年からずっと長い間一緒にプレーしていたかのようにチームに溶け込んでくれているので、そこはバスケットだけじゃなくて人間的にコミュニケーション能力も高く2人とも愛される存在。ジェイもそうですけど、3人とも愛される選手なのでやっぱり溶け込むのは早かったなと思いますね。」
–Q 今年は西地区が群雄割拠の大混戦。リーグ戦1試合の重みはどう感じている?
桶谷HC
「勝ちたいという想いは皆持っている。勝負に関わっている人はみんな持っていると思うんですけど、やっぱり勝つだけではなくて、今シーズンはやっぱり日本一というのを目指さないといけないです。目の前の試合に勝つということは大切なんですけど、そこで強くなっていかないといけないというのが一番あるので、勝ち負けにこだわりすぎずにちゃんと自分たちのやるべきことと、最後自分たちがどうなっていたいのかというところをしっかり頭の中に入れながら、イメージをしっかりしながらバスケットをしていきたい。そこが今シーズンは一番強いですね。」
–Q 今シーズンのゲームの中で注目してほしいことは?
桶谷HC
「『ゲットアクション』をテーマに掲げているので、そこに注目してほしいです。」
※辞書的には「行動を起こす、仲間に加わる」など
–Q 具体的にはどういうこと?
桶谷HC
「一つのセットオフェンス(※1)だったり、攻守の切り替えでボールを運んできてコール(※2)が無かったりした時にビッグマンがボールを一回繋いで、そこからドリブルではなくパスでオフェンスを作っていく。去年の課題としてプレーが結局コールされなかったりプレーが切られた時に、選択肢がボールピック(※3)しかなかったんですね。この部分でボールピックしか無いと使える選手が限られてきて、ボールに触れる選手が限定されてくる。そこでオフェンスのリズムが作れずに選手個々のシュート、ボールタッチの回数が減ってしまうことがあるので、今シーズンはこのゲットアクションを入れることによって皆が満遍なくボールを触る、オフェンスに絡んでいくということが出来るので、プレーのリズムが掴みやすくなるんじゃないかなと。今シーズンはこのゲットアクションに注目してほしいなと思います。」
※1)セットオフェンス=決まった方法で攻撃すること
※2)コール=セットオフェンスの合図
※3)ボールピック=ボールを持っていない味方選手が相手ディフェンスの進路を塞ぐように壁を作り、そのギャップをついて攻め込む代表的な戦術
–Q 現時点でのゲットアクションの完成度は?
桶谷HC
「まだまだ時間帯によって上手くいかない時があるので、60試合をかけてプレーオフまでにこのゲットアクションを完成させる。そうすることでプレーに深みを出せるんじゃないかなと思います。」
–Q シーズンを通してチームとして成長を続けていくということですね
桶谷HC
「そうです。1試合の勝敗も大事にしながら、最終的な目標であるリーグ制覇を成し遂げるために何が必要なのか、チームとして今後もしっかりと取り組んで行きたいです。」
–Q 最後に、キングスファンにメッセージをお願いします
桶谷HC
「いつも応援ありがとうございます。みなさんの応援が確実に私達の力となっています。今シーズンこそ昨シーズン逃した日本一を目指してチーム一丸となって戦いたいと思いますので、是非沖縄アリーナに足を運んで頂き、放送がある際はテレビを観てキングスを応援して下さい。よろしくお願いします。」
インタビュー後記
桶谷HCとお話をさせていただいていて真っ先に感じたのは、滲み出る人柄の良さです。
勝負の世界に生き、強豪チームの先頭に立つ人は常にピリッとしたオーラを放っているのかと思いきや、お忙しい練習の合間にもかかわらず物腰柔らかく接してくださいました。
その素敵な人間性にリーダーシップが備わっているからこそ、個性豊かな選手たちを率いることが出来ているのだなと感じました。悲願のリーグ制覇に向け、私達メディアもキングスを盛り上げていきます!
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