4年ぶりの那覇ハーリー～歴代最年少の漕ぎ手がみた本バーリー～【大城良太の良TIME】

若夏の到来を告げる那覇ハーリーが4年ぶりに帰ってきました！
会場の那覇港新港ふ頭にはハーリーの再開を心待ちにしていた地域の方々など、3日間で計17万3000人が訪れました。

OTVアナウンサー総動員の那覇ハーリー

ハーリー期間中、OTVアナウンサーは会場で番組MCやリポーター、ニュースの生中継にステージ司会などを担当します。
今回私は3日（水）の昼ニュースの中継リポーターと5日（金）の番組MCを担当しました。

番組を一緒に盛り上げてくださったのはO-1グランプリ2023のチャンピオン「しんとすけ」のしんさんと首里のすけさん！！
那覇市出身で平成元年生まれという同学年トリオで楽しくお送りしました。

熱狂した本バーリー　8年ぶりに泊が優勝

那覇ハーリーのメインイベントは「那覇」「泊」「久米」のメンバーが伝統衣装を身に着け、地域の誇りをかけて競う本バーリー。

緑の船の「那覇」は現在4連覇中。
黒の船の「泊」は那覇の5連覇を阻止するために3月後半から毎日練習してきました。
黄の船の「久米」は例年ボーイスカウトのメンバーを中心に構成されていますが、今年は初めて地元の久米と辻の旗頭のメンバーが漕ぎ手として加わりました。

4年ぶりの真剣勝負とあって各チーム気合が入るなか、本バーリーは例年にない盛り上がりを見せました。

折り返しまでは3艘ほぼ横一線でしたが、往路で飛び出した泊が那覇と久米を振り切り、8年ぶりの優勝を飾りました。

優勝した泊の最年少の漕ぎ手

優勝した泊の船には那覇中学校3年生の安次富長衛（たける）さんが漕ぎ手として乗船していました。

これまで泊では中学生が漕ぎ手を担うことはできませんでしたが、長衛さんは那覇中学校のハーリーチームでもキャプテンを務めるなど「ハーリー魂」が認められ、今回泊の歴代最年少の漕ぎ手として本バーリーに抜擢されました。

泊の船には、父・長郎さん（51）と兄の長徒さん（那覇国際高校2年）も乗っていて親子3人での出場でした。
父の長郎さんは「息子たちが那覇ハーリーを継いで、また次の世代にも繋いでいってほしい」と語っています。

優勝直後の安次富長衛さんに本バーリーの感想を伺いました。

Q 優勝おめでとうございます
「最高ですね！中学校の戦いでは負けちゃったんですけど、本バーリーの泊として勝てたので嬉しいです」

Q 憧れの本バーリーを経験してどうでしたか？
「中学生の船とは違って、漕ぐ距離も違うし、速さも違うので、周りの人に合わせるので精いっぱいでしたが頑張りました」

Q 大接戦でしたね
「1秒差の優勝ですけど、下手したら負けていたかもしてない。その反省を活かして来年も優勝できるように頑張ります」

Q 今後の目標を教えてください
「これからはハーリーの時期になったら自分から率先して参加して、自分からハーリーを教えて次の世代に繋げられるように頑張りたいです」

那覇の‘誇り’は受け継がれる

琉球王国時代の国家行事として栄えた那覇ハーリーは、廃藩置県によって廃止されたり、戦争やアメリカ統治下で中断されたりすることがありました。
しかし、地域の人たちは「伝統を絶やすまい」と600年もの間、不断の努力でハーリーを受け継いできました。

今回も新型コロナの影響で3年間那覇ハーリーが中止されたことで、中学生の中にはハーリーを実際に見たことがないという生徒も多くいました。
そんななか、本バーリーの船にものる地域のベテランたちが中学生バーリーに向けて毎朝学校にプールに足を運び、生徒たちを指導していました。

このように、いつの時代も那覇ハーリーの魅力は地域の先輩から後輩へ受け継がれていたのだろうと感じられた一幕でした。