沖縄経済
“タトゥーの解禁”!?再認識・再発見。増加する欧州からの観光客は何を求めて沖縄へ?
目次
──今回は新たなメンバー、ブルームーンパートナーズの伊波恵子さんと共にお伝えしていきます。
伊波さん
「今回のテーマは『増加する欧州からの観光客』です」
コロナ禍を乗り越え、沖縄に訪れる観光客数も回復してきましたが、外国人観光客の中でもいま増加しつつあるのが、ヨーロッパからの観光客なんです。
現状を取材してきました。
欧州客が急増するホテルの新たな取り組み
2017年に開業した、『ホテルアクアチッタナハ』。
現在は宿泊客のおよそ半分が海外からの観光客で、とくにヨーロッパから訪れる人が急増しているそうです。
伊波さん
「なぜヨーロッパからの観光客が増えていると考えていますか?」
リゾーツ琉球 ホテル事業本部 西尾祐樹さん
「一つ要因としてありますのが、近くの離島ですね。座間味島、渡嘉敷島、世界的に有名なダイビングスポットということもありますので、非常にアグレッシブなヨーロッパの方に受けているのではないかと思っております」
こうした中、海外の観光客にホテルでも楽しんでもらいたいと、2024年6月から新たに始めたことが…
リゾーツ琉球 ホテル事業本部 西尾祐樹さん
「“タトゥーの解禁”というところを、ナイトプールに限っては先駆けた取り組みとして実施をいたしております」
リゾーツ琉球 ホテル事業本部 西尾祐樹さん
「日中の方はファミリー層の方も、お子さまも非常に多いということもありまして、日中の方はまだまだタトゥーは解禁できていないんですけれども、それでうまく住み分けができている状況です」
さらに、ナイトプールでは2024年7月から、翌日の天気によって色を変える『天気予報のライトアップ』を始めるなど新たなチャレンジを続け、さらなる誘客につなげたいとしています。
リゾーツ琉球 ホテル事業本部 西尾祐樹さん
「やはりアジア圏の近い圏内ではなくて、世界に広がっているというのが非常に肌で感じておりますので、さらに世界に向けて情報を発信していきたいなと考えております」
欧州の観光客が求めるもの
ヨーロッパの観光客が具体的に何を求めて沖縄を訪れているのか、沖縄観光コンベンションビューローでも話を聞きました。
沖縄観光コンベンションビューロー 海外プロモーション課 山城圭之慎さん
「ヨーロッパから来られるお客さまは、皆様、基本的に東京・大阪の首都圏から日本に入ってこられた後に、沖縄に来ていただく傾向にあって、自然や人との触れ合い、食や文化といったことを楽しみに来られていると考えています」
ヨーロッパからの観光客は、国内での滞在日数が長い傾向にあるそうですが、消費額については…
沖縄観光コンベンションビューロー 海外プロモーション課 山城圭之慎さん
「消費額でいうと、アジアの方々が高い傾向にあって、ヨーロッパの方々はアジアの方々よりも低い傾向にあります。ヨーロッパの方々が主たる目的としていることに、まだあまりお金を使っていただける体制が整っていないという風に考えています」
地域の特色活かすサービス
こうした中、長期滞在型で消費額の伸びしろがある欧州の観光客の獲得に向けて、ホテルの立地を活かしたサービスを模索する動きもあります。
ノボテル沖縄那覇で取り組んでいることは…
ノボテル沖縄那覇 泉暁夫セールス&マーケティング部長
「ノボテルの近くには首里城がありますし、日本で唯一の琉球王国、王朝文化があるところなので、マップを作って近隣を散策できるようにしました」
沖縄の文化を知り、楽しんでもらえるよう近隣のおすすめスポットをまとめたオリジナルマップを製作し、5か国語で展開しています。
ノボテル沖縄那覇 泉暁夫セールス&マーケティング部長
「徒歩30分圏内の観光地ですとか、泡盛(の酒造所)ですとか、そういうところに行けるようなマップになってますので、それで楽しんでいただいております」
さらに、“食”にもこだわりが。
和食や鉄板焼きが楽しめるレストラン「登輝(とき)」。
琉球料理伝承人でもある前川守晃総料理長自ら選んだ沖縄県産の食材を中心に、料理を提供します。
こちらは金アグー豚と石垣牛を使った贅沢な一皿。そのお味は…?
伊波さん
「とてもジューシーで。豚肉は食べ応えがあって、噛めば噛むほど味が出る感じなんですけど、牛の方は甘みがあってとろける感じです」
伊波さん
「幸せですね、こんなにおいしい食べ物が沖縄の中にたくさんあるって」
ノボテル沖縄那覇 泉暁夫セールス&マーケティング部長
「せっかく沖縄に来ているから、沖縄で採れた食材を食べてほしい。おいしく食べてほしい」
ノボテル沖縄那覇 泉暁夫セールス&マーケティング部長
「それは琉球料理だけではなくて、いろいろな調理方法で楽しんでほしい。もっとシンプルに、沖縄の自然ですとか文化ですとか、そういう沖縄の素朴な良さを伝えることができれば、もっと長く続けられるかなと考えています」
沖縄の魅力をどう見つめ直していけるかが、今後の観光発展のカギとなりそうです。
沖縄観光コンベンションビューロー 海外プロモーション課 山城圭之慎さん
「沖縄の地理的な特異性、それから歴史的な背景というのは、唯一無二の魅力があるだろうと考えています」
沖縄観光コンベンションビューロー 海外プロモーション課 山城圭之慎さん
「自分たちが当たり前だということが、世界的に見ると当たり前ではない。それが高く評価されている。それについては、もっと私たちも誇りを持ってもいいんじゃないかと思います」
今日の一言
──さて伊波さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。
伊波さん
『沖縄再認識!再発見!』です。
コロナ禍を乗り越え、さまざまな国の外国人観光客が増加することで、沖縄の歴史や魅力を再認識することができると感じました。
観光客の皆さんにとっても、そして地元沖縄の私たちにとっても、異文化交流することで改めて沖縄についての“気づきや学び”ができ、お互い高め合うことができると感じました。
今後も観光客が増加することで、沖縄の観光や経済発展に繋がってほしいと思います。
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