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沖縄の海で出会った、海洋ゴミを利用して暮らしている海の中の生き物
こんにちは!
「水中ゴミ拾い専門店Dr.blue」でゴミ拾いダイビングのインストラクターをしている東真七水(アズママナミ)です。
私は「スキューバダイビング」と「ゴミ拾い」を掛け合わせ、海の底に沈んだゴミをスキューバダイビングをしながら楽しく回収するという「水中ゴミ拾い」を新しいマリンアクティビティとして広める活動をしています!
今月は、ゴミに住む生き物たちについて書かせていただきます。
海洋生物の体に絡みついたり、餌と間違えて食べられることで、命を奪う海洋ゴミ。
しかし一方で、生き物達の隠れ家になっていることをご存知でしょうか?
今回は沖縄の海で出会った、ゴミを利用してうまく暮らしている生き物をご紹介します。
金武町 レッドビーチ
自転車の後輪から顔をのぞかせるシロブチハタの幼魚です。
たくさんある網目はサッと身を隠し、外を見張るのにぴったりです。
浦添市 牧港
こちらは、別のシロブチハタ。
この子はタイヤをマイホームにしているようです!
浦添市 牧港
こちらは空き缶に住むオグロトラギス。
ちょうどいいサイズの窓、そして出入り口になっています。
伊江島
ウミウシの卵が産み付けられているブイ。
浦添市 牧港
ゴルフボールから生える珊瑚。
金武町 レッドビーチ
そしてショッピングカートの中で成長している珊瑚もありました。
ダイビング中にゴミを発見した際は、まずゴミの中に生き物が住んでいないか、卵が産み付けられていないかなど確認します。
そしてこのように生き物が住み着いている場合は、回収を検討します。
生き物の命か、ゴミの回収を優先するのか、ダイバーそれぞれが判断しなければなりません。
ちなみに私の判断基準は、大きく2点あります。
①ダイバー自身が安全に回収できるかどうか
ゴミの重量が重すぎる場合、ダイバーに危険が伴います。
重たいゴミは浮力のコントロールを困難にし、エアが早くなったり、うっかり落とした場合は急浮上に繋がるなど、実はハイリスクなのです。
そのため、基本的に4kg以上と思われるものは、通常のゴミ拾いダイビングでは置いて帰るようにしています。
今回掲載した海洋ゴミだと、タイヤ、自転車、カートは4kg以上のゴミになります。
それ以外にも、先端が尖ったゴミや運びづらい形状のゴミは、怪我や事故に繋がる可能性があるので、無理はしないようにしましょう。
②プラスチックゴミか、プラスチック以外のゴミか
海洋ゴミの中で最も有害といわれるのが物理的にも化学的にも海を汚すプラスチックです。
まず物理的には、生き物の体に絡まったり誤食されることで命を奪っています。
化学的には、プラスチックに使われている添加剤が海中に溶け出し、生態系バランスを乱すといわれます。
そのためゴミの材質がプラスチックである場合はできる限り回収することを優先しています。
生き物が外敵に見つからないようこっそりと逃し、ゴミだけを回収します。
くれぐれもゴミの中に生き物が入っている状態で回収し、破棄することがないように気をつけましょう。
2024年6,7月の「水中ゴミ拾い」の成果
6月に沖縄の海から回収した水中ゴミ:8.6kg
7月に沖縄の海から回収した水中ゴミ:13.63kg
また、レアゴミMVPは…
ポイント:牧港 2024/7/28
美人さんです!
割れた大きな看板の一部ですが、
強風で壊れ、流れてきたのかもしれません。
Dr.blueでは、土、日、祝日を中心に水中ゴミ拾いツアーを開催中!
皆様のご参加、心よりお待ちしております。
※水中ゴミ拾いダイビングのご参加にはスキューバダイビングのライセンスが必要です。
今月も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回の連載は、9月の予定です!
また来月もよろしくお願いします^^
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