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沖縄にテレビが来た!65年前、テレビマンたちの奮闘の歴史を描いたものがたり 脚本・ゴリさんインタビュー
ちゃんと”ゴリ”らしくする

—そんな中で、特にインパクトがあった当時の面白エピソードなどあれば教えてください。
今だとテレビ局の社員は花形で給料は悪くない方なのに、あの頃ってそもそもテレビを持っている家庭がほとんどない。お金を持ってる人しかテレビを買えないから、スポンサー料が入らない。つまりテレビ局は儲からなくて、テレビ局の社員は安月給なんですよね。
だから社員はみんな借金をしてて、給料日当日は局の玄関前に借金取りが群がってたそうで、「今日は取り立てるぞ!」と勇んでる借金とりたちを避けて、みんな裏口から逃げてたんですって。それで何とか逃げて、借金は返さないくせにその日の夜は居酒屋に集まってみんなで酒飲みながら「頑張るぞ!」って言ってたりして、すごく人間っぽいんですよ(笑)。

—なんだか凄く絵が浮かびますね…(笑)。そういった事実ベースのエピソードもありつつ、フィクションを織り交ぜて物語を作っていく中で、大変だったことや意識したことはどんなことでしょうか。
当時関わった人がもうお亡くなりになってしまっていて、より詳しいことが生の声で聞けないというのは、苦しみとしてありました。それを踏まえると、真実を変えるということはもちろんやってはいけないので、真実を伝えながら、要所要所で誇張をまぜていくことで物語の厚みを増やしていくっていうんですかね。そういう部分が僕の腕の見せどころになってくるのかなと思いました。
せっかくオファーをいただいた以上は「良い脚本書けましたね」って言わせたかったので、諦めずに何度も何度も粘りました。オチをどう落とし込むかをすごく考えましたし、テレビが頑張って作り上げてきたもの、沖縄県民に真実の報道とエンターテイメントの安らぎを与えたこと、そして沖縄復帰を迎えるまでの歴史的意味も込めて、こうした要素が楽しく伝わるようにした上で、“ゴリらしく”するために最後はちゃんとお笑いで終わるような内容にしました。
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