エンタメ,スポーツ
WBCピッチクロック導入『国際大会独自のルールづくりが必要』五十嵐亮太がプロ野球選手の故障リスク、米球界への人材流出…日本球界の魅力向上は?
目次:WBCピッチクロック導入『国際大会独自のルールづくりが必要』五十嵐亮太がプロ野球選手の故障リスク、米球界への人材流出…日本球界の魅力向上は?
■ 環境にマッチしたスタイルを見つける
■ 日本の野球がより魅力的になる為に・・・
■ ファンとの距離感も魅力度向上は?
■ 2026WBCのピッチクロック導入について
【別記事】五十嵐亮太『ハードワークとケアの見極めが大事』選手のアピール合戦に提言!シーズン開幕前の春季キャンプ 日米の違いとは?
2026WBCのピッチクロック導入について

2026年の第6回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で投手の投球間の時間制限を設ける「ピッチクロック」が導入されるというニュースが報道され、世間で物議を醸している。この話題についても五十嵐さんの視点で語っていただいた。
―――例えば、ピッチコム(投手と捕手間でサインの伝達に使われる電子機器)やピッチクロック、マイナーリーグでは一部ロボット審判なども導入されているということもよく聞かれますが、今後NPBにも野球の競技ルールに関わる新常識が入ってくる流れになるのでしょうか。またこれらはNPBにマッチするルールだと思いますか?
五十嵐
そうなってくると、色々野球以外にも整備しないといけない部分が増えてくると思うんです。試合に関わるスポンサー関係であったり。そのような競技以外の部分も含めた決定事項になるので。
ただアメリカの良いところは、やろうって決めたときに動きが速い。日本の場合その動きがアメリカに比べて遅いし色々と整備しないといけない問題への対応が先になってルールづくりに時間がかかってしまう。それが選手のパフォーマンスに繋がってしてしまうのは寂しいですよね。
例えば来年WBCが始まるときに、個々の選手がピッチクロックへの対応ができていないとなると、それは選手にとっては不利なことだし、できなかった理由は何なのかっていうところを問われるのかなと思う。ただ実際ピッチクロックをやることによってピッチャーの負担っていうのは確実に大きくなっているはずなんですよ。
やっぱり故障や怪我人が多く見受けられるし無関係ではないはずなので。一概にアメリカの野球が正しくて、そこに常に対応していくのが適切かと問われると、最近ちょっと僕の考え方の中でも、微妙になってきているんですよ。
ただWBCやプレミア12など国際試合が定期的に開催されそこに日本代表として参加していくことを考えると、国際試合に合わせた独自の基準づくり・ルールづくりっていうのが求められてくるのではないかと思う。ただ難しいのが、国際試合もMLB・大リーグ機構が主催している事なので、現実的にはルールの変更は無いとは思うが、そこをありきで考えるとするならば日本もレギュラーシーズンからそこに準じたルールにならざるを得なくなると思いますね。
あるところではメジャーリーグに合わせなければならないけども、あるところでは日本の野球の良さを残しておきたいとかそのバランスをどうとるのかっていうのは、当然それを判断する立場の人がいるわけで、それがファンの声でもあるのかなとは思います。こうやって野球界もそうだし、見ている人たちが興味を持つとか議論が生まれる、意見を言えるという環境が一番大事だと思います。

〈五十嵐亮太〉
1979年北海道生まれ。プロ野球・東京ヤクルトスワローズや福岡ソフトバンクホークス、またアメリカ大リーグ・ニューヨークメッツなど3球団を渡り歩き、日米通算900試合以上に登板した元プロ野球選手。引退後は野球解説者としての活動の他、自身のYouTubeチャンネル「イガちゃんねる~五十嵐亮太の人生は旅だ~」を開設するなど多方面で活躍する
ロケ地協力:スポーツカフェ・チップ(沖縄県那覇市安里101)
【動画解説!】プロ野球解説者・五十嵐亮太さんに聞く!春季キャンプの楽しみ方≪OKITIVE特別編・球春のしおり≫
あわせて読みたい記事