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倒壊した建物や地割れした道…ミャンマー大規模地震での犠牲者の全容はつかめていない「救える命を救いたい」

2025年3月28日にミャンマーで発生した大規模地震から4月21日で3週間が経過した。
甚大な被害が明らかになるなか、現地で医療支援を行うNGO(非政府組織)や沖縄から支援の手を差し伸べるチャリティー活動の動きが広がっている。

トウ・ヤ・ソウさん
「ミャンマーではこれまで大きな地震が少なく地震への警戒心があまりありませんでした。今回の地震はミャンマー中部の地域で発生したものです」

那覇市の栄町でミャンマー料理店「ロイヤルミャンマー」を営むトウ・ヤ・ソウさん。
ソウさんの母国ミャンマーでは2025年3月28日にマグニチュード7.7の地震が発生。震源地に近い都市マンダレーの南に位置するザガインでは多くの建物が倒壊した。

ソウさんはSNSなどを通じて、現地の友人たちと連絡を取り続けている。
友人たちから送られてくる写真には倒壊したレンガ造りの建物や地割れした道路など、地震の爪痕が残されている。

地震の少ないミャンマーで長く続いた余震に友人たちは不安を感じているという。
トウ・ヤ・ソウさん
「友人は寝ようとしても不安で眠れないそうです。寝ているとまた地震が起きるのではないかと思い怖くて外にも出られないと聞いています」
ミャンマーの政府当局の発表によると、これまでに3645人が死亡5017人がけがをし、148人の行方がわかっていない。倒壊した家屋はおよそ5万戸にのぼるという。

20年以上にわたりミャンマーで医療支援を続ける国際医療NGO「ジャパンハート」でもザガインにある慈善病院が被災した。
ジャパンハート災害支援・対策セクション 高橋茉莉子部長
「病院の建物の半分が壊れ青空診療を行っている状況です。建物倒壊を恐れて屋外で生活している人が非常に多くいます」

現地では国内外の救援チームによる懸命な活動が続いているが犠牲者の全容はつかめていない。

ジャパンハート災害支援・対策セクション 高橋茉莉子部長
「国際チームや現地チームが懸命にレスキュー活動にあたっていますが、まだ発見されていない方も多く死者数はさらに増える可能性があります」
在沖ミャンマー人会として活動するソウさんは地震発生直後から沖縄県内でチャリティーコンサートや募金といった支援活動を企画してきた。

ただ、ミャンマーでは2021年のクーデター以降の軍事政権下で民主化を求める人びとへの弾圧が続いていて支援や救援活動にも支障が出ているという。
トウ・ヤ・ソウさん
「ザガインのような遠隔地では応急措置も復旧もままならず、そうした地方の人たちに支援物資や支援金を届けたいと思っています」

ザガインの中心地から離れた地域では通信環境も不安定で被害の全容はいまだ明らかになっていない。
トウ・ヤ・ソウさん
「ミャンマーの複雑な状況を知らない人も多いかもしれません。でも苦しんでいる一般市民や助けを必要としている人たちがいます。救える命を救いたいです」

ソウさんはミャンマーの現状を沖縄の人たちに伝えることで関心を高め、支援の輪を広げていきたいと話している。
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