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末吉良丞は語っていた「夏に優勝する高校が一番強い。沖縄尚学がその名に恥じない存在になる」二枚看板で制した歴史的快挙
目次:沖縄尚学甲子園優勝!二枚看板で制した歴史的快挙
・「夏に優勝する高校が一番強い」夏の甲子園初優勝の意味
・沖縄尚学 栄光への道
・怪物左腕・末吉良丞 勝負所で光る“千両役者”
・覚醒の右腕・新垣有絃 春の悔しさを力に変えた
・上級生の覚悟と意地
・二枚看板の系譜 1999年春との共通点
・沖縄を包んだ「沖尚フィーバー」
・沖縄尚学の夏、沖縄野球の未来へ―新時代の幕開け
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怪物左腕・末吉良丞 勝負所で光る“千両役者”

2年生にしてエースナンバーを背負う末吉良丞は、今大会で全国から注目を集める存在となった。
身長175cm・体重89kg、太くがっしりした下半身から投げ込まれる直球は最速150キロ。沖縄大会では4試合で29回を投げ、40奪三振、防御率0.31という圧倒的な数字を残した。
特に象徴的だった場面は沖縄大会決勝だ。七回、2連続四球と暴投でピンチを迎えた末吉の前に、打席にはU18日本代表候補の強打者・イーマン琉海。3打数2安打と当たっていた打者に対し、末吉は直球勝負を避け、スプリット→スライダー→スライダーと変化球3球で勝負。最後は外角いっぱいに決め、見逃し三振で仕留めた。大舞台でこそ冴える勝負勘を証明した一球だった。
「七回のピンチを抑えたことでチームに流れを呼び込めた。あの場面が今日の一番の投球でした」
試合後、堂々と語った末吉は、もはや2年生とは思えない風格を漂わせていた。
さらに、八回以降は尻上がりに球速を上げ、147キロ、148キロを連発。試合を締めると同時に、打撃でも4打数2安打4打点とチームを引っ張った。攻守で光を放つ姿に「千両役者」という言葉が自然と重なる。
末吉の投球スタイルは、多くの人にオリックスの宮城大弥を想起させた。直球と一級品の変化球を操り、試合ごとに投球の幅を広げていく姿勢。さらに4番を任されるほどの打撃力も備えている点は、まさに宮城の高校時代と重なる。
「甲子園通算30勝が目標。」 強気な言葉とともに、末吉は成長の階段を確実に上っている。大舞台で光を増すその投球は、沖縄尚学の夏を切り拓く最大の武器だった。
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