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稲嶺 羊輔

稲嶺 羊輔

【アナウンサーのルーティーン】発声練習ってどんなことをしているの?

稲嶺羊輔アナウンサー(OTV 沖縄テレビ)のいつも笑顔で!

どうも!
ここ最近、湯船にしっかりと浸かるようになって体調が良い稲嶺です!

今日はアナウンサーのルーティーン「発声練習」についてご紹介しようと思います。

発声もスポーツと同じ!? ストレッチの重要性

発声練習と聞くと「あえいうえおあお」など声出しを思い浮かべる人が多いかと思いますが、
最初に行うのは「ストレッチ」です。

スポーツをする前には入念なストレッチが大事ですよね。
いきなり身体を動かすと怪我にも繋がります。

発声も同じで、いきなり大きな声を出すと声帯やその周りの筋肉を傷めてしまいます。
特に喉回りの小さくて繊細な筋肉は、全身の筋肉が温まってようやくほぐれてきます。

全身のストレッチを欠かさず行います。

またストレッチにはもう一つ重要な役割があります。
それは「声を身体に響かせるための下準備」です。

アコースティックギターをイメージして下さい。

アコースティックギター

ボディの空洞部分に音が響き、豊かな音色になりますよね。
逆にボディに砂を詰めると、音は響きません(そんなことしませんが笑)。

人の身体にも同じようなことが言えて、身体にグッと力が入ると声は上手く響きません。
逆に力を抜いてリラックスした状態だと声帯で生まれた声が身体で響き、伸びやかで大きな声を出せるようになります。

身体全体のストレッチが済んだら、今度は喉のストレッチ!

上を向いて口を開けたり意図的にあくびをしたりして喉を開きます。

舌のストレッチも欠かせません。
口は閉じたまま、歯とくちびるの間で舌を時計回りに50周、反時計回りに50周

お次は腹式呼吸のトレーニング。
鼻から吸って口から息を吐きます。

まずは短く

ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ(150回)

次は

ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(吐き切る)

再び鼻から吸って

ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(吐き切る)
(計15回)

お腹の動きも意識しながら

腹式呼吸のトレーニングを続けることで基本的な発声方法が身につくほか、一息で話せる量が増えます。私は元々肺活量が少なく声が細かったのですが、まだまだとは言え少しずつ向上しているのを実感しています。

ようやく声出し!

ここからは声を出してのトレーニングへと移ります。

私は声帯周辺の筋肉のストレッチ&トレーニングのため、
独特な練習方法を採用しています。

それは

・バカ殿様のような声
・テノール歌手やバス歌手のような声
・美空ひばりさんのような声
・ミッキーマウスのような声

とにかく色んな声を出すことです。

これはフレデリック・フースラー(故)というスイスの声楽研究者が提唱していた練習法を日本版にアレンジしたもので、細かい内容は忘れてしまいましたが声色によって使う筋肉が違うため色んな声を出すことで声帯周りの筋肉が満遍なく鍛えられるそうです。

私は元々語尾を落とすための低い声が出ないのが悩みでしたが、
このトレーニングを取り入れるようになってからはだいぶ改善されました。

そしてお約束の「あえいうえおあお」です。
これはそこまで説明はいらないですかね。
なるべく歯切れよく、口の形を意識しながらレッツトライ!

ここからのトレーニングには
フジテレビ系列のアナウンサー向けのテキストも使用します。

フジテレビ系列のアナウンサーが使用するテキスト

「声は人なり」。
声はその人自身を表し、人格を磨けばそれが声にも表れるという風に教わりました。

知識を学ぶパートも豊富で、新人の頃はこのテキストを何度も読み返して勉強しました。

基礎練習は以下のような感じです。

バラバリバルバレバロ
ビラビリビルビレビロ
ブラブリブルブレブロ
ベラベリベルベレベロ
ボラボリボルボレボロ

サマサミサムサメサモ
シマシミシムシメシモ
スマスミスムスメスモ
セマセミセムセメセモ
ソマソミソムソメソモ
(他の行も同じように10パターンほど)

タチツテト チツテトタ ツテトタチ テトタチツ トタチツテ
タツテトチ タテトチツ タトツチテ タテチトツ
チテトタツ チトツタテ チタトテツ
ツトタテチ ツタチトテ ツチテタト
テタトツチ テチツトタ テツタトチ
トチツテタ トツチタテ トテツタチ
(ア行~ラ行まで)

外郎売り

外郎売りの一部分。全文を読むと7~8分かかりますが、 毎日やっているので覚えました(笑)

その後、時間に余裕がある日は短文練習を行います。

テキストにはア行から順に、活舌のトレーニングになる一文が並んでいます。

ただ読むのではなく、一音一音を粒立てることが重要です。

お気に入りはこちら↓

「南の海のまにまに浮かぶ三波奈美を見守る七海とミミは水面にいる」
(みなみのうみのまにまにうかぶみなみなみをみまもるななみとみみはみなもにいる)

それでは皆さんも、レッツトライ!

・・・

どうでしょう、上手く言えましたか?

言いにくい文は何度も重点的に読み込むことで徐々に克服できますし、それが普段の活舌にも活かされます。

ちなみに私は「ヤ・ユ・ヨ」の活舌が甘くなってしまうので、ヤ行を入念に練習するようにしています。

一連の発声練習は、時間にして平均30分くらいです。

「声は人なり」

ここまで普段の発声練習の内容をご紹介してきました。

私は入社8年目になりますが、未だに活舌が甘かったり実況の終盤に高音が裏返ってしまったりと理想の声には程遠い状況です。

ナレーションでも音の高低や間を上手く使うことがまだまだ出来ていません。

それでも
「去年よりも成長できた!」と思える機会が次へのモチベーションに繋がっています。

技術的な部分はもちろん重要ですが、
テキストのタイトルにもあるように「声は人なり」という言葉を忘れずに
これからも自分らしい声を育んでいきたいです。

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