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OTV報道部

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復帰50年をビジネスチャンスに

――今回は経済のスペシャリストであるブルームーンパートナーズの仲座健二さんと共にお伝えしていきます。

仲座さん
よろしくお願いします。今回のテーマはこちら「復帰50年をチャンスに!限定商品でアピール」です。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

沖縄は2022年5月15日に本土復帰50年を迎えますが、これにからめた限定商品や復刻商品を販売する企業が増えています。どのような意図があるのか、取材しました。

1957年創業!沖縄が誇る老舗ビールメーカー「オリオンビール」

2022年で創業65年を迎えたオリオンビール。定番のザ・ドラフトに加え、プレミアムクラフトビールとして人気の高い「75ビール」。さらに他の企業とコラボレーションしたチューハイが人気を博すなど業界をリードしてきました。

そんなオリオンビールがいま限定商品として販売しているのが、本土復帰50周年の記念デザイン缶です。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

通常の75ビールのデザインかと思いきや、反対側にはかつての名護湾の風景とともに沖縄50周年の文字が。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

また「ザ・ドラフト」は復帰当時の瓶ラベルをモチーフにしたデザインとなっています。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

オリオンビール株式会社 マーケティング本部 原國秀年 課長
「懐かしさを感じていただきたいということと、この50年を一緒に歩んでいただいた、支えていただいたという感謝をしっかりと示したい」

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

オリオンビールは沖縄の復帰後、本土からやってきたビールとの激しい競争にさらされるも、地元沖縄のビールであることを前面に押し出すマーケティングで着実に業績を伸ばしてきました。

一方で2019年には国内とアメリカの投資ファンドによる買収、そして2022年から酒税の軽減措置が段階的に廃止されるなど、環境は目まぐるしく変化しています。

そんな時だからこそ、創業当初から変わらない想いを伝えていきたいと話します。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

オリオンビール株式会社 マーケティング本部 原國秀年 課長
「これからもこの島とともに、どのように県民に寄り添っていくのか。そして50年、さらに歩んだ時に、しっかりとその100年のスパンで見て、オリオン=沖縄、沖縄=オリオン、を作れる未来を想像しながらこれからも歩んでいくと思っています」

月に10種類もの新商品を生み出す「オキコパン」

ブルームーンパートナーズ 仲座健二さん
「続いては創業75年、多くの県民に愛される老舗の食品メーカーにやってきました。
こちらでは、沖縄復帰50周年を記念した復刻商品を販売しています。それでは創業者様に感謝していただきます。美味しい!」

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

故・仲田睦男さんが1947年に瓦の製造から事業をスタートさせたオキコ。

その後そばなどの食品分野に進出しますが、復帰を境に本土からライバル企業が押し寄せてくることを予見し、それに対抗する事業としてパンの操業が始まりました。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

現在は月に10種類ほど新商品を開発しながら、常時300種類の製造を行っています。

今回本土復帰50年の節目に合わせて、過去に人気の高かった商品の復刻版を販売しています。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

オキコ株式会社 マーケティング部 大城修二 次長
「一番苦労したのは、当時のレシピが存在しないというところですね。当時の味を知る方からお話を伺ってこれを再現するのに苦労したと開発(担当者)から聞いています」

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

苦労の末に復刻された商品に対し、県民から嬉しい反響がありました。

購入者からのメール
「販売終了にショックを受けていた中、コンビニにあのスティックロールの姿が!」
「それはもう嬉しくて、は~!? と3度見くらいしてしまいました(笑)」
「今日も買ってきました。明日も買おうと思います」

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

オキコ株式会社 マーケティング部 大城修二 次長
「本当に(購入時の)情景が浮かぶような感じで、非常にありがたいなと感じています。(今後も)県民の皆様の生活に寄り添う企業として、良い製品をしっかりと皆様にご提供できればと考えています」

どちらの企業にも共通しているのは、限定商品を通して消費者への感謝を伝えていること。

そして、これからも地域に寄り添った企業でありたいという想いが込められていました。

大きな遊園地よみうりランドからも沖縄の魅力を発信

仲座さん
「本土復帰50年に関連した経済への波及効果は、県内だけにとどまりません」

東京にある遊園地「よみうりランド」では、2022年5月の大型連休を含めた10日間にわたり、食や文化など沖縄の魅力を一堂に集めた「沖縄week」を開催します。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

これまで沖縄に関するイベントが好評だったこともあり、2022年は沖縄の企業や県人会と連携し過去最大規模での実施となります。

よみうりランド 曽原俊雄 総支配人
「沖縄ハムやオリオンビールとも提携して、一緒にやっていきましょうと企画しました。沖縄の魅力は食や音楽などもありますけど、人の温かさだと思うんですよね。沖縄の魅力を存分に、よみうりランドは伝えたいと思っています」

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

こうした民間の取り組みに加え、2022年は沖縄県主催の復帰関連イベントが数多く予定されていて、地元企業が県の内外で注目される千載一遇のチャンスとなりそうです。

今日の一言

――さて仲座さん。今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。

仲座さん
“これからの50年に繋がる発信力の強化を”。

アイランドスコープ 第73回 復帰50年をビジネスチャンスに

仲座さん
消費者の心を掴むためには自社の製品やサービスの質を高めていくことはもちろんですが、復帰50年の節目にその魅力を積極的に発信していけるかが今後の業績にも繋がっていきそうです。

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