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OTV報道部

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サッカー元日本代表・髙原直泰が描くコーヒービジネス 地域を挙げた新たな取り組みが始動

サッカークラブの沖縄SVが2019年から進めてきた「沖縄コーヒープロジェクト」は2022年、いよいよコーヒー豆の収穫を迎える。沖縄の特産品の一つとしてコーヒーの可能性が注目される中、地域を挙げた新たな取り組みがスタートする。

沖縄SV×ネスレ×うるま市によるプロジェクト

2022年5月に行われたサッカー天皇杯の1回戦で格上相手に大差で勝利を収めるなど、いま勢いに乗る沖縄SV。チームはサッカーの活動に加え2019年から飲料メーカーのネスレと共同で、沖縄で大規模な国産コーヒーの栽培を目指す「沖縄コーヒープロジェクト」を進めている。代表を務める髙原直泰さんらが2022年6月24日都内で、プロジェクトの進捗について会見を開いた。

沖縄SV 髙原直泰代表
「2022年の冬から2023年の春にかけて初収穫を見込んでおります。是非皆さんに飲んでいただきたい」

更に今回新たにうるま市がプロジェクトに参画することが発表された。

うるま市 中村正人市長
「私は、どんどんこのプロジェクトに予算を投じていきたい。それと場所も提供していきたい、人材もどんどん派遣していきたい」

市長がここまで力を込めるワケとは・・・

沖縄SVアグリ 宮城尚代表取締役
「よろしくお願いします」

稲嶺羊輔アナウンサー
「立派に育っていますね」

沖縄SVアグリ 宮城尚代表取締役
「大きくなってきて花が咲き終わったところですね。花が咲いた後にプクっと膨れてきて(実が)どんどん大きくなる」

プロジェクトが最初にスタートした名護市許田のコーヒー農園には、選手らが中心となって240本の苗木を植え付けた。その後、農業法人を設立し、現在は協力農家も含めると約6000本のコーヒーの木を栽培している。植え付けから3年、2022年の冬にようやくコーヒー豆となる実を収穫できるまで成長した。

沖縄SVアグリ 宮城尚代表取締役 
「1本の木から採れる量は、コーヒーの杯数で言うと40杯ぐらいのコーヒーが採れると言われています」

稲嶺羊輔アナウンサー
「多いか少ないかで言うとちょっと少ないかなという気も」

沖縄SVアグリ 宮城尚代表取締役
「そうですね、なので貴重な1杯になっていく」

沖縄SVアグリ 宮城尚代表取締役
「(沖縄特有の)潮風の影響や、強い日差しを受けたコーヒーの味がどんなものなのかなという楽しみもありますね」

農業の担い手の育成・耕作放棄地の有効活用にも

コーヒーの栽培で地域の課題解決も目指している。農家が高齢となり後継者不足が深刻になる中、2021年からは北部農林高校と連携し、生徒の実習にコーヒー農園を活用するなど、将来の一次産業の担い手の育成にも取り組んでいる。そして、今回新たにうるま市がプロジェクトに参画するにあたり、ある問題の解消に期待が高まっている。それがうるま市の耕作放棄地の有効活用だ。

稲嶺羊輔アナウンサー
「あ、これですか」

沖縄SVアグリ 宮城尚代表取締役
「元々ハウスだったんですけど、実際放置されて10年以上20年近く経っている場所でして、こういった場所にコーヒーを植えるところに使いたいなと思っています」

県内では再生利用が可能であるにも関わらず耕作が行われていない農地は、2100ヘクタールに上る。その中でも他の農作物での利用が難しい傾斜地は、周りの木々が防風林の代わりとなるため風に弱いコーヒーの栽培に適しているという。

沖縄SVアグリ 宮城尚代表取締役
「逆にそれが競合しない、他の作物栽培と競合しない場所であるという認識も出てきた。普通の作物栽培に向かないような場所を上手く利用できる」

うるま市では、こうした土地を有効活用しながらコーヒーを地域の特産品として売り出していきたい考えだ。

うるま市農林水産部 宮城紀章課長
「うるま市で出来たコーヒーをうるま市で飲んでいただけるということが出来れば、皆さんが喜ぶ感動体験に繋がるかなという風に思います。大体いつも沖縄本島は西海岸の方が有名なので、出来れば東海岸のうるま市というのが認知されるようになるといいかなと考えています」

サッカー元日本代表髙原直泰さん「関わり方が違えば新しいものを生み出せる」

また、近年注目されているのが、農業と福祉を掛け合わせた「農福連携」。うるま市では畑でのコーヒー栽培や、地域のコミュニティカフェでの障害者の雇用などを推し進めていくことにしている。

九州リーグからJFL、そしてJリーグへの参入を目指し日々トレーニングに励む選手達。髙原代表は、将来、多くの人が沖縄の地で育まれたコーヒーを飲みながらスポーツを観戦する、そんな未来を思い描く。

沖縄SV 髙原直泰代表
「スポーツというのは、やる・観るだけではなくて、関わり方が違えば新しいものを生み出して、それがプラスにどんどん作用していくんだっていうものを将来的に見せられれば、変わってくると思います。そういったところを目指してやっていきたい」

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