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OTV報道部

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大雨による冠水 自力で車から脱出できないケースも… 対処方法をJAFに聞く

2022年5月31日の記録的な大雨により県内各地で車が浸水する被害が相次いだ。中には車に閉じ込められ、自力では脱出できないケースもあった。こうした状況に直面した際に私達はどのように対処すれば良いのか、日本自動車連盟・JAFに聞いた。

一刻を争う事態 水没した車に運転手取り残される

2022年5月31日、沖縄本島南部では1時間に110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表した。降り続いた雨により糸満市阿波根では道路が冠水して車が動けなくなり、運転手が取り残される事態が発生した。

この時、救助にあたったのが道路の向かいの工場にいた7人の従業員達で、当時の状況をこう振り返る。

株式会社池間 比嘉成寿さん
「場所はちょうど黄色いナンバーの車の目の前あたりです。おじいちゃん一人乗ってまして車内からドンドンしてましたね。(窓ガラスが)割れないから助けてくれって中から声が聞こえていたので」

40分後に水位は車の窓ガラスの半分の高さまでに

写真は車が水没する前の工場の前の様子だ。ナンバープレート程の高さまで水位が上がっている。そのわずか40分後に水位は車の窓ガラスの半分の高さにまで達していて、写真右側のランプがついている車が今回取り残された車だ。

株式会社池間 比嘉成寿さん
「フェンスの反対側の方に居たんですけど、フェンスを越えてそのまま泳いで道路の真ん中あたりまでいきました。バールとロープを持ってきて自分が渡ってその時にバールをフェンスの方から受け取って(窓ガラスを)割って、中からおじいちゃんを引っ張って出して、ロープをつかんでもらって皆で引き上げました」

株式会社池間 比嘉成寿さん
「茫然自失していたと思うんですけど、おじいちゃんも震えていたので助かった良かったと言っていました。恐怖を覚えました、今後も(こういうケースが)ないことはないと思うので気をつけて用心したいと思います」

車が水没した場合の最善の対応は

他にも2022年6月3日、県内各地で車の浸水被害が発生していて日本自動車連盟・JAFによると救援の要請が34件入り、2021年6月の1か月間にあった33件をたった1日で上回った。

車が浸水し動かなくなった場合どのように対処すれば良いのか。JAFの福田哲朗さんは次のように話す。

JAF 福田哲朗さん
「まずはエンジンを切ることですね。ドアが開かないと判断したときには、ガラスを割って窓から出ていくっていうのが、ベストだと思います」

JAFが過去に行った実験では、水深60センチの場所を乗用車で通り抜けようとしたところ、途中で車が動かなくなり車体の後ろが浮きドアが開かなくなった。

JAF 福田哲朗さん
「ドアの高さより(水位が)上がってきてしまうと車の中と外の水の高さが違うので、非常にドアが重くなって開かなくなるっていうのはあります」

JAFでは万が一に備え、緊急脱出用のハンマーを車内に常備することを勧めている。

嘉数圭人 記者
「こちら緊急脱出用ハンマーです。実際に車が水没し動けなくなった想定で、窓ガラスを割ってみたいと思います」

嘉数圭人 記者
「このように軽い力でも割ることができます」

冠水により状況が把握できず溝にはまる危険性 ショートして火災の恐れも

道路が冠水した場合、比較的水深が浅い場合でも濁った水で状況が把握できず、タイヤが溝などにはまる危険性が高まる他、車の回線がショートして火事になる恐れもあると福田さんは指摘する。

JAF 福田哲朗さん
「座席の足元にもすごいいっぱい配線が敷き詰められてるんですよ、そういったところに水が入ってしまって、エンジンが切れなくなってしまったり電球がつきっぱなしになってしまったりとか、最悪火花がバチバチって出てしまって火災になっていく恐れもありますので、そこら辺はもうまず速やかに(エンジンを)切っていただくのがベストかなと思います」

JAFでは大雨の際は車の運転をなるべく控えるとともに、どうしても運転しなければいけない場合は冠水しやすい場所を避けるよう呼びかけている。

JAF 福田哲朗さん
「まず事前に天気予報を見ておくことと、ちょっと怖いなと思ったら無理して運転するのではなく、路肩によけてみて、状況を確認してみるっていうのも良いのかなとは思います」

突如くる災害で、最悪の事態に陥らない為にも今一度、万全の備えが必要だ。

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