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OTV報道部

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郷土玩具が数万点!日本各地を回り集めた「人生かけたコレクション」

那覇市で半世紀近く営業してきた民芸店が、このほど閉店することになった。店主の男性が全国各地から集めた郷土玩具は数万点。「人生をかけたコレクション」の引き取り手を探している。

珍しい玩具が揃う民芸店

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「やっぱり時代の流れでしょうね…和風のものがどうにか今の若い人には、ついて来られなくて」

2022年、48年の歴史に幕を下ろす民芸店がある。

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「日本各地の手作りの民芸品ということで、北海道だったら『クマの木彫り』があるし、焼き物、織物、染物、とにかく何でも少しずつあります」

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「こういうのも珍しいんじゃないですかね。これは北海道の『馬そり』そりのミニチュアで、今は小物入れこういったものは、今はないんじゃないかね」

妻と二人三脚で営んできた歴史

那覇市楚辺の「八洲民芸店」。店主の宮城且事さんと妻の洋子さんが、夫婦二人三脚で営んできた。

1975年、国際通り近くに店を構えた八洲民芸店。店主の宮城さん自ら全国各地へ出向き、選りすぐりの工芸品を卸して、販売し順調に売上を伸ばしていった。

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「その当時は昼飯を食べる暇もないというか、妻の洋子が店を担当して、私はあまり性格的にも(接客は)向かないもので、だから全部洋子がフォローしてくれて」

妻の宮城洋子さん
「やっぱりハードでしたけど、楽しかったです。うちにしかない商品があったので、お客さんはいっぱい来てもらっていました」

郷土玩具には日本人の細かい感情が入っている

しかし、時代の流れと共に安く手に入る量産型の商品を買い求める人が増え、客足は次第に遠のいていった。

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「最近は、コロナの時期にあたってガタッと人が来ない。私も足掛け約50年なんですよ、商売やってもうそろそろ潮時かなと思って…」

日本各地を周り商品を仕入れる店主の宮城さん。訪れた土地の郷土玩具を集めてコレクションとして展示している

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「コマの種類は、これだけ持っている人はそうはいないんじゃないですかね。皿ゴマだけでも、こんなに種類があるしもっと珍しいものは『鳴りゴマ』ですね音の出るコマ」

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「これ、ようやく手に入れた。岐阜県の大垣という街のナマズが洪水をおさえるという意味の『大垣の鯰押え』これは、もう作る人がいないということで、これをわざわざ手に入れるために、大垣の市役所の観光課に行って、交渉して一点残っているものを無理やり譲ってもらった」

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「一個一個作りは簡単で見た目は変哲もないけど、そのいわれを聞いたら『おー』思う。日本人の機微というか細かい感情ですね、それが全部入っているんですよね」

「人生をかけたコレクションを見てほしい」

半世紀かけて収集した数万点の郷土玩具。

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「50年近くこれを集めてきたんですけど、そろそろ十分楽しんだし、自分たちはリタイアするから、だからこれももう譲ろうと思って」

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「今まで自分がただ集めていて、人目についてないんですよね。それじゃあ、あまりにももったいないもんですから、出来ればちゃんと公共の場所に皆さんに見てほしいし」

郷土玩具には文化や風習など、その土地の暮らしや人々の思いも込められている。

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「ある程度、民族的な研究にも繋がると思いますから、学校の子供達でも社会科の勉強でも役立つと思いますし『博物館』っていうと大袈裟だけど、そんな感じで見てほしいですね。簡単な『子ども博物館』だな」

八洲民芸店 店主 宮城且事さん
「私は古い人間ですからね。日本人としての文化を守って欲しいというか、大和魂というかそういった雰囲気を感じてもらえれば…ちょっと大袈裟かな?」

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