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金城 わか菜

金城 わか菜

ワーキングマザー、“洗礼”を受ける。復職の壁、実情をズバリ…

金城わか菜アナウンサー(OTV 沖縄テレビ)のカフを下げて―

こんにちは、沖縄テレビアナウンサーの金城わか菜です。
アナウンサーのマイクのON/OFFを切り替えるスイッチ=カフ。
このコラムでは、カフを下げて、放送には乗らない声をお届けしていきます。

瞼を閉じて、“秒”で眠れそう・・・

2回目の育休が明けて2か月。次男はめでたく1歳となり、よちよちと歩くようになった。
しかし夜中に突然「ウェ~ン」と泣き出すことが続いている。しかもこれが一晩に何回も。そのたびに抱っこしたり授乳したり。他の家族を起こさぬよう、坊やをあやさなくてはならない。

市の定期健診で保健士さんに相談すると「今は“後追い”の時期。寝ている間もママを探して泣いちゃうの。2歳半まで続くからね。覚悟しないとね。」と。

第1子の時ならば、「えー!?私は一体いつ眠れるの!?」とパニックになっていたはず。でも今は少しばかり余裕があり、「夜泣きもいつかは終わるさ。」と夜な夜な1歳児を抱きながら、隣でグ~スカ寝息を立てるお兄ちゃんを見て、自分を励ましている。

とはいっても、毎日まとまった睡眠がとれず、眠気と戦う日々。
もちろんニュース本番中に眠くなることはないが、通勤バスの中でコックリコックリと船を漕ぐのは日常茶飯事。PCに向かっているこの時間も睡魔と闘いながら、コラムを綴っている。

はい、現代風に言うならば、“秒”で寝られます!

本文と直接関係ないんですが、写真は最近の仕事の様子を載せていきま~す♪
本土復帰記念日の3時間特番。MCのひーぷーさん、ゲストの嘉数ゆりさんと♪

来ました、保育園の“洗礼”。コロナ禍で厳しさ増す

「保育園の洗礼」という言葉を、耳にしたことがあるだろうか。

子どもが保育園に通いはじめると、次から次へと風邪やウイルスをもらってくる。そのたびに保護者は仕事中に呼び出され、お迎えに走る・・・。集団生活デビュー直後は、日々これの繰り返しだ。

これぞ俗にいう「保育園の洗礼」。

子どもが体調を崩すと心配でならないが強い子になるためには、程度の差はあるものの、みんな避けては通れない道なのだ。

さらにコロナ禍の今、園で陽性者が確認されると否応なしに仕事を切り上げ、迎えに行かなくてはならない。職場に申し訳ない気持ちで落ち込んだり、早めにお迎えに来たママを見て喜ぶ息子が、とてつもなく愛しかったり・・・。目まぐるしく喜怒哀楽が入れ替わるうちに、あっという間に一週間が過ぎていく。

取材した城紅型染工房。染めも体験させていただきました。
首里城下の龍譚を泳ぐこいのぼり。子どもの健やかな成長を願って。

復職の壁!? ズバリ打ち明けます!

夜泣き、保育園からの呼び出し・・・。これらは目に見えるワーキングマザーの壁といえるだろう。
しかしなかなか見えてこない、人に話しづらい悩みもある。

それは「胸が痛い」こと。

心理的なものではない。「おっぱい」が張って痛いのだ。
私の場合、第一子は完全母乳育児、第二子は母乳とミルクの混合育児。いま次男の離乳食は順調に進んでいて、いつ卒乳しても大丈夫な段階だが、坊やの情緒面を考慮して、まだおっぱいをあげている。復職して、長時間おっぱいを与えられなくなると胸が張るようになった。赤ちゃんが吸わなくなると母乳の分泌は徐々に減るので、これも次第に解消する問題だが、その痛さといったら・・・。
例えるならば、胸全体がとてつもなく大きなニキビとなってパンパンに化膿した状態・・・。伝わるだろうか・・・。痛さが我慢できなくなった時どうするかというと・・・、トイレで搾乳をしている。搾乳(さくにゅう)とは、胸に溜まった母乳を手や器具で搾ること。こうしてパンパンになった胸の圧を少し抜いて、業務に戻っているのだ。

企業に増える「搾乳室」とは

私の場合、離乳食を食べさせられるようになってから仕事を再開したが、もっと早く職場に復帰される女性もいるだろう。
数年前、ネット通販大手の企業などが、「搾乳室」を設置したことがニュースになった。
育児支援として各事業所が様々な施策を講じているが、乳児期という限られた期間の母子の健康を支えるこの取り組みは、目を見張るものだ。

搾乳室、なぜ必要!?

WHOは、母乳には赤ちゃんの免疫を高める作用があるとして、母乳育児を推奨している。ところが早期に復職し、母乳の分泌が多い時期に突然授乳できなくなると、母乳が乳腺にたまり激しい痛みを伴うだけでなく、乳腺炎で発熱することもある。「仕事をしていても、できれば母乳育児を続けたい」と考えるママも多いはず。搾乳室で母乳を搾って冷凍保存すれば、自宅や保育園で与えることができる。これまでトイレで搾乳・保存することに、衛生面が気になる人も多かったはず。
会議室で搾ることにも躊躇があったと思う。そして私の経験上だが、不思議なことに、おっぱいってリラックスした状態でないと、なぜかうまく搾れないんですよ。

仕事×育児の可能性を広げる

搾乳室の設置は、「母乳を続けるかどうか」という育児の選択肢を広げ、キャリア形成を遠ざけたくない女性の希望も叶えられるし、さらに企業は戦力を早めに取り戻すことができるものだと、私は思う。

知ってほしい、働く女性の事情

いま子育てと仕事の両立を図るのは、女性に限ったことではない。私の夫や会社の男性たちも、家事育児をこなしながら仕事に勤しんでいる。私たちの両親世代は、男は外で働き稼ぐことが第一とされてきただろうし、そういう父親の背中を見て育った息子つまり現代のパパたちは、新たな価値観の中で挑戦の連続だろう。家庭でも職場でも助け合える制度や仕組みは、今後さらに知恵を出し合って、築いていくことが求められている。

ただ一方、女性は男性に比べると体の変化が顕著で、働き続けるためにもそれに対応しなくてはならない。また周囲になかなか相談できないという悩みも依然として抱えている。搾乳室のようなハード面の整備がなされることは素晴らしいことだが、現実として設置できない企業がほとんどだろう。
(沖縄の企業で設置しているという情報も、私はまだ聞いたことありませんが、もしウチやっているよ~という企業さんいれば、ぜひ教えてください♪)

こうした母乳問題に限らず、妊活、妊娠中、産後の心身の不調など、女性の体にはそれぞれのライフステージでいろ~んなトラブルが起きる。少し知っていただくだけでも私は、文字通り胸が軽くなるような気がするのだ。

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