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真栄城 潤一

真栄城 潤一

海洋問題を楽しく学ぶ!「子ども海のクイズ王」開催 日本財団の「海と日本プロジェクト」

子ども海のクイズ王「海と日本プロジェクト」
早押しクイズに臨む子どもたち

世界的な課題となっている海洋を巡る環境問題への理解を深めるため、小学生たちがクイズ形式で海の問題を楽しみながら学ぶ「海のライブ・クイズイベント」(日本財団主催)が6月30日、うるま市立南原小学校で行われた。6年生がクイズに参加し、バラエティ番組さながらの早押しボタンで答える形式で盛り上がりつつ、海を巡る課題について積極的に学んだ。

イベントは日本財団が次世代へ海を引き継ぐため、海の環境悪化などの現状を子どもや全国に人に伝え、考える活動を推進する「海と日本プロジェクト」の一環だ。クイズイベントは、子どもたちに海洋問題を自分の身に引きつけて考えてもらうための試みでもある。

海洋ゴミや魚の乱獲といった様々な問題の深刻化は、海に囲まれた日本、そして沖縄のすぐ目の前に迫っている。加えて、国連が定めるSDGs(持続可能な目標)の14番目の項目「海の豊かさを守ろう」にも直接的に関わる問題でもあることから、海の資源の保全と持続可能な利用について、子どもたちが自分の頭で考えることを促すのは重要な教育の1つだと言えるだろう。

イベントではFECオフィスの町田千歩さんが司会進行や出題を担い、軽快なトークで場を彩った。クイズ予選への前段となる海についてのレクチャーでは、出題内容も含めて様々なトピックを解説。スルメイカの穫れる時期が変化していることや、プラスチックゴミについての問題、海洋汚染などについて、3択クイズも交えながら子どもたちと内容を確認した。

子ども海のクイズ王「海と日本プロジェクト」
クイズに向けてレクチャーの内容を一生懸命メモする

その後はいよいよクイズに突入。子どもたちは3〜4人で1チームの計15チームに分かれ、先ずは3択の問題に答える予選に挑戦する。

出題された3択問題の答えの番号札を掲げ、連続正解して残った5チームが決勝に進むことができる。出題すると、子どもたちはそれぞれのチームで相談しながら答えの札を挙げ、正解・不正解に一喜一憂した。予選の7問目までは参加全チームが正解を重ね、日本財団側から「全国各地でまわっていて、7門まで全問正解だったことはなかなかない」とアナウンスが入り、町田さんがすかさず「皆さん優秀ですね〜!」と盛り上げる。

子ども海のクイズ王「海と日本プロジェクト」
予選の3択クイズの答えを番号札で答える

予選8問目でとうとう答えが割れて5チームが敗退。9問目で残り7チームとなり、最終問題で決勝進出3チームが決まった。が、決勝には5チーム出られるということで、残り2チームの敗者復活戦が行われ、会場は大盛り上がり。決勝進出の2枠をかけて行われた、正解に近い数値を提示する「近似値クイズ」では、出場権を獲得した子どもたちは飛び跳ねて喜んだ。

そして白熱の予選を勝ち抜いた5チームで行われた決勝ラウンドは早押しクイズ対決。3問正解で勝ち抜けとなる。子どもたちのボタンを押す手にも自然と力が入り、眼差しも真剣だ。見守る他のチームの子どもたちも固唾を飲む。

子ども海のクイズ王「海と日本プロジェクト」
決勝に進んだ5チームと、勝敗の行方を見守る子どもたち

それぞれのチームが果敢にボタンを押して、不正解で悔しがる場面がありながらも、正解すると大きなガッツポーズも飛び出した。テレビバラエティ番組のようなクイズの形式が、子どもたちの闘争心に否応なく火を付けている。一進一退の攻防が続き、見事決勝を制したのは「海ぶどう」チーム。代表してインタビューを受けた松元優奈さんは「けっこう緊張したけど、勝ててうれしい」とはにかんだ。

子ども海のクイズ王「海と日本プロジェクト」
インタビューを受ける松元優奈さん

休憩を挟んで行われた第2ラウンドは、子どもたちがゲームの流れをつかんだこともあり、予選でスムーズに4チームまで絞られた。決勝枠の1つを争って、前回同様敗者復活の近似値クイズが行われた。

2回目の決勝は、問題文途中での早押しで連続正解を叩き出し、圧倒的な強さを見せた「グルクン」チームが優勝した。チームを代表してインタビューに応じた水田蘭鈴さんは「1回戦では負けてしまったけど、2回目で勝てて嬉しかった」とリベンジ勝利に喜んだ。

子ども海のクイズ王「海と日本プロジェクト」
連続正解にガッツポーズする水田蘭鈴さん

2ゲームを終えると、子どもたちからは「もう1回!」という声も飛び出し、まだまだ楽しみ足りない様子。会場をなだめつつ、町田さんから「勉強になった人〜?」と問いかけられると、全員が元気よく手を挙げ、大きな拍手でイベントは幕を閉じた。

南原小の新城剛校長は「子どもたちが非常に楽しみながら取り組んでいるのが微笑ましく、こんな機会を与えてもらって感謝しています」と感想を述べた。印象に残った場面に決勝の早押しを挙げて「大人の自分も悩むような問題に子どもたちがバンバン答えてるのが頼もしかったですね」と感心しきりだ。小学校の立地が海に近いこともあり、今後はプラゴミなどの環境問題などをテーマに「自分も一緒に子どもたちと学んでいきたいですね」と話した。

子ども海のクイズ王「海と日本プロジェクト」

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