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OTV報道部

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陽性者が陽性者の介護をする“陽陽介護” 急増するコロナ患者でひっ迫する社会福祉施設の現状は

病床のひっ迫により感染しても医療機関に入院できずに社会福祉施設内で療養を余儀なくされている高齢者も多くいる。
こうした患者の対応にあたっている訪問看護の職員たちの今を取材した。

訪問看護ステーションはな宜野湾の仲宗根純也さんと仲栄真亮さん。

訪問看護ステーションはな宜野湾 仲栄真亮 看護師
「もうどこももう応援が回らない状況があって、施設さんで何とか頑張って乗り切ってねというようなやっぱり雰囲気がある中で、そこでやっぱりクラスターという施設も今まで経験したことのない、ある意味災害な状況で僕たちが一つ訪問看護として何かお手伝いしながらその危機を一緒に乗り越えたらなということで」

医療機関に入院できず福祉施設内で療養を余儀なくされている患者は2022年7月22日時点で917人となっています。中には、施設内で酸素投与を受けている人もいます。

2人はこの日、障害者施設からの依頼を受けて患者の対応にあたった。

この施設では、入所者の多くが新型コロナに感染、さらに職員にも感染が広がり人出不足は深刻だ。

こうしたなか、この施設では感染した職員でも発熱や咳などがない無症状であれば本人の了承を得て感染者のサポートにあたるいわゆる「陽陽介護」の状況に陥っている。

さらに、感染者がすぐに入院できない状況にあるばかりか、施設のスペースにも限りがあるため状況はさらに深刻だ。

問看護ステーションはな宜野湾 仲栄真亮 看護師
「施設内の陽性者がすごい多い状態で最初はやっぱり1階とか2階とかで陽性者と陰性者を部屋別で分けたりしてたんですけど、今はそれが全く機能してない状態で、今陽性者も陰性者も一緒に生活空間を共にしてるような現状ですね」

「陽陽介護」と「ゾーニング」がままならない現状について県は把握しているものの現実問題として施設機能をストップさせるわけにはいかず、訪問介護など外部からの応援に頼らざるを得ない状況が続いている。

こうしたなか、訪問看護ステーションはなには応援の依頼が殺到していて、通常は月で10件ほどのだったものが今は100件にまで膨れ上がっている。

訪問看護ステーションはな宜野湾 仲宗根純也 看護師
「僕の感じとしてはもう既に高齢者施設に関しては崩壊していて、スタッフ今までであれば、40人規模を8人から10人とかで見ていたものを2人から3人。ないし1人で見てるっていうような施設もあったりして、1人1人にケアが行き届いてないだったり、それが原因で重症化していくことがあったり」

軽症の患者が多いとされるオミクロン株だが感染力は強い。また、感染すると重症化しやすい高齢者などがいることを意識してほしいと強く訴える。

訪問看護ステーションはな宜野湾 仲栄真亮 看護師
「若い世代とか仕事されてる世代の方は、日常の生活があるので、あまりこういう現状がなかなか伝わらない生活してる中ではあると思うんですけど実際病院は逼迫してて、高齢者の方が行き場を失って入院もできないご自宅で独居の方もいるので、そういった方たちの現状というのも一つリアルとしてお伝えする場が必要なのかなとは感じてます」

県民一人一人の暮らしを守るため、自分自身の行動を改めて見つめなおすことが大切だ。

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