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OTV報道部

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「子供は地域の宝」全国トップの出生率を誇る沖縄県金武町が行っている子育て支援策

全国で少子高齢化が進み、これまで人口が増加傾向にあった沖縄も2022年から減少に転じるという見通しが示されている。そんな中、沖縄県北部の金武町では、「子どもは地域の宝」として、子育て支援に積極的に取り組み全国トップの出生率を実現した。住民が安心して子どもを産み育てられる環境づくりを取材した。

行政が積極的にサポート 安心して子育てできる環境

金武町にある認定こども園「きんのほし」。朝から子どもたちの元気な声が町に響く。

厚生労働省が2020年発表した資料によると、2013年から2017年の金武町における合計特殊出生率は2.47で、これは全国の市町村の中でトップの数字だ。地域の人々が安心して子育て出来る環境はどのようにして作られているのだろうか。

金武町で子育てする親
「金武町は恵まれてますよね、補助金とか。とっても助かりますね」

金武町で子育てする親
「本当に助かっていますね、医療に関しては。全然(負担を)忘れているぐらい安心しちゃっているから」

金武町では出産後の経済的な負担を軽減しようと、2006年から「子育て奨励金」として出生児1人につき保護者に10万円を支給。子を授かりたい人たちを応援しようと不妊治療では、年間最大36万円を助成している。

さらに、子育て支援策として中学卒業までの給食費や、通学用バスの定期代を無料化。医療費は高校を卒業するまで無料。

より細やかな子育て支援のため「こども支援課」を新設

金武町役場 保健福祉課 島袋博 課長
「平成15年前後だったと思うんですけど、全国的な少子化とか高齢化がクローズアップされて。町民から、『子育てがしやすい環境づくりをしてほしい』という要望がありましたので、そういった声を受けて、色んな施策をその辺からスタートしてきた」

金武町では2000年ごろを境に、老年人口が21%以上を占める超高齢社会となり、町の発展のための重要施策に位置づけたのが「子育てしやすい地域作り」だ。町の一般財源を子育て支援に積極的に投入してきたほか、現在は国からの交付金も活用している。

また、よりきめ細やかなサポートに繋げるため、「こども支援課」を新設し、子育て支援をワンストップで行っている。

金武町役場 保健福祉課 島袋博 課長
「だいぶ長いスパンで、色々な取り組みをしてきたんですけど。環境としてはとても育てやすい町だと自負している」

その成果は数字にも現れている。こちらは県全体の0歳から14歳の子どもの数を5年ごとに記したグラフ。1980年から年々減少傾向にあることが分かる。一方、金武町では、以前は県と同じように減少していたものの、子育て支援策を強化した2000年代からは再び増加に転じている。

「金武町全体が子育てを応援している」

2020年、3男の誕生を機に金武町に移り住んできた東恩納さん一家。この日は甥っ子2人も加わり家の中は大賑わい。移住前にも行政の支援は活用してきたが、金武町の支援の手厚さには驚いたという。

金武町に住む 東恩納 渚さん
「色々通知が来て初めて知ったんですよ、奨励金がある、虫歯ゼロ、これが貰えるの?とか。住み始めてからそれが衝撃で」

夫婦共働きの東恩納さん。金武町に移り住んで以降安心して子育てに励むことが出来ていると話す。程なくして4人目、初めての女の子を授かった。

記者
「一人だけ扱いが違いますね」

金武町に住む 東恩納 寛康さん
「お姫さまだよね」

充実した子育て支援策に加え、金武町全体が子育て世代とその子ども達に積極的に目をかけ応援する雰囲気があると話す。

金武町に住む 東恩納 渚さん
「近所の方も迷惑になっていないかなと最初は声掛けしに行ってたんですけど、むしろ全然賑やかになって良かったって言って貰えて」

金武町に住む 東恩納 寛康さん
「地域の人が本当に声をかけてくれるのが、良い環境だなと思います」

Q.5人目の予定は

金武町に住む 東恩納 寛康さん
「自然の流れで」

金武町に住む 東恩納 渚さん
「でも、金武町だったら5人目でも育てられるかなと思います」

子育て支援強化に加え、今後は雇用問題解決にも

町の未来を形作っていくのは、地域の手によって育まれてきた子ども達。子育て支援の更なる強化に向け、今後も全庁体制で臨みたいと担当者は力を込める。

金武町役場 保健福祉課 島袋博 課長
「金武町では、子どもは町の宝として捉えていますので、将来の希望と捉えて子育て支援をこれからも継続して、町で生み育てやすい環境づくりを今後も継続して取り組んでいきたいと考えています」

2020年からは、妊娠してもお腹の中で赤ちゃんが育たないという夫婦を対象にした「不育治療」への助成にも取り組んでいるということだ。また、小さな子どもたちが増える一方で、町の総人口増加に向けては雇用の場所が少なく転出も多いことが課題となっていて、町では基地の返還地を活用した企業誘致にも積極的に取り組んでいきたいとしている。

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